不登校のタイプ

不登校の6つのタイプ

不登校 6つのタイプ

不登校のタイプには様々な分類が考えられますが、ここでは児童生徒本人に関わる要因に基づく6つの型を紹介します。

文部科学省による不登校の実態調査で用いられている類型です。不登校の要因として占める割合の順に並べると、以下のようになります。上位4つの型についてはカッコ内に回答者の割合を示しました。

(1)「不安など情緒的混乱」型(中学生32.4%、高校生25.9%)
(2)「無気力」型(30.0%、31.7%)
(3)「学校生活上の影響」型 (18.7%、18.7%)
(4)「あそび・非行」型(3.9%、7.1%)
(5)「意図的な拒否」 型
(6)「複合」型

ひとつ注意しておきたいのは、ここで紹介する分類に限らず、タイプ分けは不登校の問題を把握するための一つの目安であって、不登校の子ども誰もがいずれかのタイプにぴったりと当てはまるわけではありません。とくに子どもの心理や認知特性が不登校の要因を成しているような場合、それを正確かつ客観的に判断するのは、親といえども、あるいは親だからこそ、難しいものです。以下に説明にする6つのタイプは参考として心に留めておいてください。

1.「不安など情緒的混乱」型

身体の不調や漠然とした不安を訴えて登校しない(できない)タイプです。
登校前に腹痛や頭痛、吐き気などを示すことが多いのですが、診察してもらうと身体に異常はないのが特徴です。

何回も手を洗ったり、衣服の着替えを繰り返したりする強迫症状が見られる場合もあります。朝起きるのがつらく、午前中は、からだの具合が悪く、ひどく疲れやすい――近年、関心を呼んでいる「起立性調節障害」に起因しているかもしれません。

成長の過程にある本質的な原因が学校生活をきっかけに問題化すると考えられます。このタイプは、根底にあると思われる原因に応じて、さらに4つのタイプに分けられます。

(1)分離不安
▷子どもが親、特に母親から離れることに不安を強く感じ、学校に行けなくなります。逆に子どもが離れていくことに強く不安を感じる親(特に母親)が、子どもを不安にしている場合もあります。おもに小学校低学年に見られるタイプですが、家庭環境によっては中高生にも生じます。子どもの興味や関心が、急がずに次第に母親以外に向かうようにするのが対処の基本です。

(2)息切れ
▷周囲の期待に応えようと頑張りすぎて心身ともに疲労すると、子ども本人は漠然とした不安を感じ、それが身体の不調になって学校へ行けなくなります。解決の糸口が見つかりにくく、子どもも親(保護者)も悩みます。困難を打開するには、おそらくは周囲に気をつかって自分を抑え過ぎていた子どもが、本来の自分を取り戻すことが大切です。

(3)甘やかされ
▷自分の意思をうまく相手に伝えたり、我慢したりすることを十分に学ばないまま育つと周囲との摩擦が大きく、学校や集団生活が苦手になりがちです。親(保護者)にできるのは、子どもへの接し方を振り返り、まずは日常生活において子どもの中に自律心を育てることです。努力する子どもの、ひとつひとつの達成を認めながら、社会性を身につけさせます。

(4)生活基盤の不安定
▷両親の不和や経済的困窮ほか、家庭環境の急激な変化などに不安を感じて学校へ行けなくなるパターンです。子どもから話を聞いて不安の要因を確かめたら、できる限りの方法でその解消に努力するのが親(保護者)の務めです。

2.「無気力」型

学校生活でとくにトラブルがないのに、なんとなく登校しなくなる児童生徒で、「学校へ行かなくては」という思いが小さく、働きかけると登校するけれども、長続きしないタイプです。

子ども本人が意欲や自発性を取り戻すことが問題解決のカギなので、一般に回復するまでに長い時間を要します。親(保護者)が半ばあきらめてしまうことも少なくありませんが、学校やカウンセラーなどの関係機関の助けを積極的に借りて、根気強く子どもを支えていく必要があります。

部屋に閉じこもって生活が乱れると、ものごとへの意欲がますます生じにくくなります。家庭内で何らかの役割や仕事を分担させたり、身体を使う遊びや運動を誘いかけたりして生活の秩序やリズムを維持することが大切です。

また、学校へは行かなくても、友だちや近所の人と接する機会があるなら、そうした関わりを保つように配慮します。

3.「学校生活上の影響」型

学校での人間関係がうまくいかなかったり、勉強についていけなかったりして登校しない(できない)タイプです。

具体的には、いじめやいやがらせ、友人あるいは部活の先輩との不和、教員に対する不信などが原因に挙げられます。不登校初期の動揺が落ち着けば、また学校へ行けるようになるケースが多いようです。ただし、そうなるまでに親(保護者)や学校の指導・配慮が不十分だと長期化の心配もあります長期化すると「不安など情緒的混乱」型に移行する場合があります。

4.「あそび・非行」型

遊ぶためや非行グループに入ったために登校しなくなるタイプです。

無断欠席・遅刻・早退などを繰り返した末に学校へ行かなくなるタイプで、小学生には少なく、中学生に多く見られるようになります。子どもの立場を理解したうえで、時には注意や叱責が必要になります。交流しているグループの悪い影響から抜け出しにくく、親(保護者)だけでは対応に困る場合は、学校やその他の関係機関の協力を求めなくてはなりません。

5.「意図的な拒否」型

学校へ行く意義を認めず、登校を拒否するタイプです。

登校を拒否する理由は、何かで知ったり、あるいは自分の経験から導き出したりした、学校や教員または教育制度への批判など、さまざまです。親(保護者)の学校観、教育観に大きく影響されている場合も少なくありません。

6.「複合」型

複数の理由が重なり、どれが主であるかが見極められないタイプです。

不登校には、これまで説明してきたいくつかのタイプが複合しているような例が見られます。ひとつの顕著な特徴だけに着目してタイプを即断すると、問題への対応を誤ります。多角的に子どもを観察して状況を正しく把握することは、適切な対応のための大前提です。

不登校は「病気」なのか?

「だれもが学校へ通っているのに、うちの子はなぜ行けないのか」――親(保護者)にしてみれば、子どもの病気(精神疾患)を疑いたくなったとしても無理はありません。

しかし「不登校そのものは病気ではない」というのが、ほとんどの専門家の見解のようです。不登校は、じつは別に存在する問題のサインだったり、成長の過程でいろいろと経験するつまずきのひとつだったり、大人の自我へと変わるうえで必要な悩みだったりと、様々な意味を持ちます。その意味は子どもによって違いますし、また子どもや親(保護者)が不登校をどう受け止めるかで意味が違ってきます。

ただし、不登校そのものは病気ではありませんが、その要因に障害や病気が隠れているケースもあります。すでに述べたように起立性調節障害のために登校意欲が湧かなくなっているかもしれませんし、とりわけ「学校生活上の影響」型では、原因となる対人関係の問題や学業不振が、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、アスペルガー障害などに起因していたり、精神障害の前駆症状だったりする場合も見られます。要因を探るうちにそんな心配があるようなら、相談機関で専門家の意見を聞いたり、診断を頼んだりして子どもの現状をしっかりと把握することが大切です。

不登校の経験で「人に優しくなった」

文科省が2014年に公表した資料のひとつに、不登校の中学3年生の5年後を追跡調査した結果報告があります。調査でインタビューを受けたかつての中学3年生たちは、不登校によって勉強、友人、進路などでマイナスがあったと話す一方、「休んだことで今の自分がある」「成長した・視野が広がった」「出会いがあった」「人とは違う経験をした」「人に優しくなった」など、不登校の経験を振り返って、そこにプラスの意味を見出してもいます。

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不登校でお悩みの方へ
~不登校について知っておいてほしいこと~

目次 (各記事にリンクしています)

不登校とは何か ~はじめの一歩~
不登校の前史/「年30日以上欠席」が定義/「どの児童生徒にも起こりうる」/いじめ自殺で意識変化/さまざまな原因/不登校への対応方針


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データで見る不登校

不登校の現状/将来の見通し/不登校でも進学に希望


中学生の不登校 ~不登校でも中学は卒業できる?~
不登校でも中学は卒業できる?/出席日数・調査書・高校受験/不登校でも高校受験はできる?/「不登校でも出席扱い」になる方法/できるだけ学校との関わりを保つ


不登校 早期発見のために
・不登校 早期発見のために(前兆を見逃さない/子どもが家庭で見せる兆候/子どもが学校で見せる兆候)
・親自身のメンタルケア(不登校が長びく覚悟も/ストレスをため込まない/気持ちをコントロールする/段階(1)強い不安/段階(2)他者批判/段階(3)自責の念/段階(4)前向きな姿勢/粘り強く対処し続けるために/専門家の助けを借りつつ)
・ストレス・不安を軽くする(専門家・経験者の話に学ぶ/「うちの子だけ」ではない/親だけで頑張らない/学校復帰にこだわらない/先行きを悲観しない/あせらずに待ってみる/「親の会」など、話せる場を持つ)

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不登校からの脱却ー再進学ー不登校はマイナス体験じゃない。立ち上がることで、つまずきの意味が変わる

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不登校・引きこもりからの脱却ー高校進学が、大きなきっかけに

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