通信制高校・高等専修学校ニュース

ゲームコースは、ゲームばっかり?

新しい学校選びの基準 ニュースクからのアドバイス

「新しい学校選びフェア」総合相談デスクから

「てっきり、ゲームばっかりするものだと思っていました」と苦笑するのは、中学2年生の子を持つお父さん。多くの通信制高校(通学型)が設けている特徴ある学びができるコースのなかでも、「ゲームコース」や「eスポーツコース」の存在が気になって、私ども総合案内デスクに尋ねてみたのでした。

時間のほとんどは通常の教科の学習に

ゲームコースは、ゲームばっかり?01

コース名に掲げているくらいですし、ホームページにも上のような写真が多く掲載されていることから、学校では朝から夕方までデジタルゲーム三昧のような印象を抱くかもしれませんが、けっしてそうではありません。学校ごとのカリキュラムや学年によって異なりますが、実際、ゲームに関する授業は週5日のうち多くても6~8時間くらいではないでしょうか。これはゲームに限らず、美容やマンガ・イラスト、ダンス、音楽など他のコースについても同様です。

特徴ある学びができるコースであっても、学校で過ごす時間の大部分は、国語・数学・理科・社会・英語など通常の教科の勉強にあてられます。高校卒業資格を得るために必要な74単位の修得が最優先だからです。

ゲームコースは、ゲームばっかり?02

好きなことが学べるから、通い続けられる

ただ、多くの全日制高校で卒業に必要な修得単位数が85以上にもなるのにくらべると、通信制は時間にずっとゆとりがあります。このゆとりを有効活用するのが、特徴ある学びができるコースなのです。 ゲームコースを例にすると、このコースがあることが、ゲームに関心がある生徒にとっては学校へ通い続ける強い動機になります。ゲームコースで同じ関心を持つ友だちができたり、腕前をほめられたりすると、それがまた学校を楽しい場所にしてくれます。なかでも中学時代に学校が苦手な場所だった生徒には、これはとくに大きなメリットです。

自分の「好き」「得意」を見極める機会に

また、ゲームコースのように特徴ある学びができるコースは、将来の進路を考える判断材料となります。その道に自分が向いているかいないか。職業としてやりたいだけの興味の強さがあるかどうか。こうしたことが高校にいるうちに確かめられます。 ゲームは好きだけれど、ゲーム制作やeスポーツを本格的に学びたいとは思わない。仕事にするほどの興味はない。そう判断すれば、早めに方向転換ができます。この判断をあいまいにして専門学校や大学に進学してから判断ミスに気づくことにくらべたら、高校のうちに確かな判断を自分で下して別な道に進むほうが得策と言えます。ゲームコースを選択した分、多少余分に費用がかかったとしても、その価値はあるのではないでしょうか。

卒業後の進路選択の幅を広げるきっかけに

当然ではありますが、通信制高校でゲームコースを選択したからといって、あとはゲーム業界へ進むしかない、というわけではありません。むしろ、ゲームを入り口に進路選択の幅が広がることがよくあります。

ゲームコースで学ぶうちに、プログラミング全般に興味を持ち、IT系の大学や専門学校へ進学する生徒の例をよく耳にします。そのようにして大学進学の意欲が湧いたので、ゲームコースから大学進学コースへ移ったという話も聞いたことがあります。進路選択のうえで大きな刺激になりうるので、ゲームでも、美容でも、マンガ・イラストでも、音楽でも、好きなことや得意なことが学べるコースは、通信制高校を選ぶときに検討してみる価値があります。

通信制高校のゲームコースで学んだ生徒は、やはりゲーム関連の専門学校へ進むことが多いようです。高校での学びと専門学校での学びが一部ダブってもったいないように思うかもしれませんが、そんなことはありません。すでに高校でゲームに関して学んでいるので、専門学校での学習でつまずく心配が少なく、授業に余裕をもって臨めます。繰り返しになりますが、これは他分野のコースについてもいえるメリットです。

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※この記事は札幌・仙台・大阪にて不登校生等を対象とした合同進学相談会「新しい学校選びフェア」を企画・運営する「特定非営利活動法人高校生進学支援の会」協力のもと作成しております。

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