通信制高校・高等専修学校ニュース

通信制高校で寮を利用するメリット・デメリット

特色ある科目、ユニークな授業 通信制・高等専修学校の強み

弊社では、全国各地で「新しい学校選びフェア(通信制高校 合同進路説明会)」を開催。毎回多数の生徒や保護者にご来場いただいております。

相談会場では、「初めての来場で何から聞けばいいかわからない」とか「おすすめの通信制高校は?」といった、様々なご質問に応じる「総合相談コーナー」を設けています。私も相談員として保護者からの質問にお答えしております。

さて、先日の相談会で、ある保護者(生徒のお父様とお祖母様)が総合相談ブースに着席され・・・

「総合相談コーナー」での保護者の想い

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「息子を寮制の高校に入れたい」と。

お聞きすると、いわゆる「スマホ依存症」のような状態で、起きてから寝るまで一時も離さずスマホをいじっている、中学校へも行かず、生活リズムが完全に崩れ、家族とも会話がなくなり、勉強もしないので学力低下が著しい、体力低下、目が血走っている、それよりも何よりも精神的に壊れていくのではないかという心配が募る。切羽詰ま ったように保護者が訴えます。(医療機関には受診済とのこと)

最後に保護者が出した結論は「寮」に入れる、ということでした。
中学校へ通学できずにいるため学力面で不安があり、生活リズムが崩れていることから月曜日から金曜日の朝から夕方まできっちり通う全日制高校は無理だろう。限られた選択肢の中、辿り着いた結論が「寮のある通信制高校」への進学。その点についてのご相談でした。

寮がある通信制高校を選ぶということ

通信制高校は、週1日通学~週5日通学といったコースで自宅から通うか、自宅学習型でスクーリング時に集中して通うのが一般的です。通信制高校の集中スクーリング中心のコースであれば、通う日数が少ないのでスクーリングの時だけホテル暮らしをするなど、わざわざ寮に入る必要はありません。大学や専門学校と異なり、年齢的にも親元を離れて一人暮らしをする必要がある高校を選択することは一般的ではないでしょう。
それでも、寮に入って通信制高校に通いたい、という方は多くいます。

1)親元を離れて自立したい

地方在住で自宅から通える高校は限られている。そして、スポーツや芸能分野などで夢や目標があり自由に活動できる時間を確保したい。その結果、都会の寮のある通信制高校を選ぶ、というケースが考えられます。

2)いじめなどの人間関係

中学校の不登校・長期欠席の理由の一つに「人間関係」があげられます。いじめを受けた経験がある場合、知っている人がいない土地の高校へ行きたいという方が多いです。また、地域コミュニティが密な場合、小学校から中学校、そして、中学校から高校という流れは固定された人間関係がそのまま続きます。それを断ち切るために寮のある高校へ進学する、というケースです。

3)病気や家族関係

先ほど挙げた「スマホ依存症」のような事例や「起立性調節障害」などが当てはまるでしょう。また、家庭の事情で自宅にいられず寮のある高校へ進学する必要がある方もいます。

寮に入るメリット

1)規則正しい生活ができる、生活リズムが取り戻せる

寮長・寮母さんが常駐しているところも多く、寮制の高校に入学することで生活習慣を取り戻すことが可能です。

2)人間的な成長が見込まれる

掃除、洗濯など自分のことは全て自分でする必要があります。もちろん、社会性も身に付くでしょう。親元から離れることで人間的な成長が見られます。

寮に入るデメリット

1)費用がかかる

1日2~3食付き、光熱費込みなど、寮生活はそれなりに費用がかかります。特に女子の場合はセキュリティ面がしっかりしているかも気になるところです。

2)自由が制限される

門限があるなど、寮で共同生活するうえでのルールが求められます。厳しいところではスマホを制限しているところもあります。

寮のある高校の紹介

全寮制高校(全日制課程)

つげの高等学校 (全寮制)

つげの高校(黄柳野高校)は全寮制の全日制普通科高校です。寮は第二の家庭として温かな雰囲気で運営されており、規則正ししい生活を取り戻す援助を行っています。学び直しのための基礎学習やフィールドワークを取り入れて楽しい学校を目指しています。

所在地:愛知県

不登校の中学生・高校生を支援する全寮制高校 黄柳野高等学校(つげのこうとうがっこう)。 規則正しい生活の中で、人との関わりから思いやりを育み成長し、自分の進路を決めて羽ばたける全寮制全日制高校です。

上記以外にも寮を完備していたり、学生会館と提携している学校もあります。また、学校近くに安価な下宿先がある場合もありますので、学校に聞いてみると良いでしょう。