通信制高校・高等専修学校ニュース

安心の環境で、成長への励まし

仙台白百合学園高等学校 通信制課程(エンカレッジコース)

特色ある科目、ユニークな授業 通信制・高等専修学校の強み

いま不安の中にいる女子も、悩みからの出口を探している女子も、自分の夢を追求したい女子も、あなたの現在と将来を結ぶ線の上にあるのは、全日制ではなく、通信制の高校ではありませんか。

あなたが仙台市もしくは宮城県や隣接県に在住の中高生女子なら、とくに覚えておいてほしい学校、詳しく知ってもらいたい学校があります。それは中高一貫の女子校、仙台白百合学園高等学校の通信制課程です。

エンカレッジコースと名づけられた同校の通信制課程は、宮城県及び広域(東北・関東・北海道)の中学校・高校からの女子生徒の新入学・転入学を受け入れています。ここで生徒たちはどんな学びを通じて自分の進路を見つけているか、渡邊優子教頭に聞きました。

自分を隠さなくてもいい

コース名の「エンカレッジ」とは、英語で「励まし、勇気づけ」の意。「通信制という枠の中でも、いや通信制だからこそ、生徒を励まし、勇気づけるためにできることがいろいろあります」と話す渡邊教頭。エンカレッジコースを選んで変わった生徒3人の例を挙げてくれました。

不登校経験者で、かなりの引っ込み思案だったA子さんですが、エンカレッジコースで学ぶうちにすっかり自信がついて、新しく入ってきた1年生に校内を案内するくらいに積極性を見せるようになりました。

転入試験を受けるはずだったB子さんは、当日、気持ちが不安定になって泣き出してしまい、結局、試験は見送りに。他日、改めて試験を受けてエンカレッジコースに入りました。楽しく充実した学校生活を送っているB子さんに、そんなことがあったとは信じられないくらいです。 C子さんはずっと場面緘黙(かんもく)でした。ある状況において、あるいは特定の人に対して言葉を発せなくなるのです。それがどういうわけか、エンカレッジコースに入学してから、いつの間にか普通に話せるようになったのでした。「こんなふうに友だちと話したのは幼稚園以来」と母親が驚いたそうです。

― 学校生活を通じて、本人にとってはもちろん、保護者にとっても、うれしい変化が生じる理由は何でしょうか。

「ここでは自分を隠さなくていい、と生徒が安心できるからではないでしょうか。多くの生徒と話してみて、そう感じます」「入学当初はうつ向いていた生徒も、顔を上げて歩くようになりますよ」と渡邊教頭は言います。

自然と高まる進路選択の意欲

仙台白百合学園高校エンカレッジコースの卒業生の多くは、系列の仙台白百合女子大をはじめとする4年制大学への進学をかなえています。令和2年度の4年制大学への進学率は、約60%です(海外の大学含む)。自分自身の体験から心や精神について大きな関心を持つようになり、心理系の学部・学科を選ぶ人が少なくないそうです。

生徒全般に進学志向が強いとはいえ「入学時に進路調査はしない」と渡邊教頭は話します。気力を養いながら通信制高校で学び続けることが当初の目標になっている生徒もいるからです。

「でも元気を取り戻せば、たいていの生徒には自然と将来への意欲が湧いてきます。意欲が湧くと周囲がよく見えるようになり、考える材料も増えます。本格的な進路選択は、その状態になってからした方が、より確かなものになります」

また学力に不安があるうちは、生徒は進路選択の幅を自分で狭くしがちです。そこでエンカレッジコースでは、苦手なままにしている生徒が多い英語と数学の基礎講座を開設。初歩から学び直して高校レベルの内容に早く追いつき、無理なく自力で学習を進められるよう配慮しています。

「勉強に自信がつき、面白さに目覚めると、それが自分の進路への関心と意欲につながります」

体験学習で視野を広げる

通信制課程ながら、生徒の関心に応える事柄を楽しく学べる機会を豊富に用意しているのもエンカレッジコースの特長です。今を充実させ、将来へとつながる学び――そんな体験学習に魅力を感じている生徒が多いといいます。

たとえば、学外から様々な職業の講師を招いて学ぶ「キャリアデザイン講座」。

パティシエにお菓子づくりを習ったり、話し方やマナーなどのソーシャルスキルを身につけたり、親子で「個育て」コーチング講座に参加したりと、バラエティに富んだ内容で好評だといいます。

「生徒が視野を広げたり、自分の個性や特性に気づいたりするきっかけになります」と渡邊教頭。

もうひとつは、こちらも生徒に好評だという「エンカレッジ・オリジナル・プログラム(EOP)」です。主に仙台白百合学園の教員が講師を務めるもので、お茶やアロマを楽しんだり、浴衣の着付けをしたり、ドラムを叩いたり、百人一首のかるたを取ったりと気軽に参加できるものから、小論文や英検の対策講座まで、自由に選んで学べます。趣味を広げたり、学力向上に役立てたりできます。 「EOPでは、教壇に立ついつもの先生とはまた別の顔が見られたりします。より親しみを感じたり、意外性に驚いたり、ひとりの人の様々な側面に触れるのも、生徒にとっては、いい勉強になりますよ」

全日制の部活にも参加OK

楽しく学べるEOPは、基本的に自由登校日に実施します。時間割の編成上の都合もありますが「週2日のスクーリング日以外にも、生徒にはできるだけ登校してほしいから」と渡邊教頭は、その理由を説明します。

「大学へ進んだり、社会へ出たりすれば、基本的に週5日、朝から夕方まで活動する生活リズムです。通信制であっても、高校のうちに、なるべくそれに近いリズムをつくっておくと、新しい環境に、よりスムーズに移行できます」

自由登校日に学校で自習すれば、学習内容に分からない点があっても、すぐに教員に尋ねて、詳しく解説してもらうことができます。自宅からメールや電話で質問してもよいのですが、苦手分野については、教員の説明を直接聞くほうが、細かいところまで理解が行き届きやすいはずです。

「自由登校日やスクーリングの空き時間に、各教科の勉強会が設定されることもあります。不得手な分野や単元の学習に集中して取り組む生徒たちもいます」

また希望すれば、全日制の部活動にも参加できます。これまでにも、地学部や茶道部、演劇部、家庭部、オーケストラなどで一緒に活動している通信制の生徒がいるそうです。体育系では、規定によって全日制課程の部活の公式戦に出場できないものの、練習試合などには通信制の生徒も混じってプレーできます。また、定時制・通信制の大会もあり、3年前には剣道で全国大会に出場した生徒がいました。

このようにエンカレッジコースでは、無理なく通える生徒であれば、全日制に近いかたちで高校生活を送ることも可能です。全日制にくらべて時間割が自由な分、むしろ、より自分らしく充実した日々を過ごせるとも言えそうです。

ボランティアで精神的に成長

仙台白百合学園高等学校のエンカレッジコースには「卒業後の進路や社会へと生徒を自然に橋渡し」する学習活動がたくさんある――

教頭の渡邊さんの話を聞いていると、そんな印象を抱きます。すでに述べたキャリアデザイン講座やEOPも、その例と言えましょう。さらにはボランティア活動が挙げられます。

エンカレッジコースの生徒は、地元のNPOとカトリック教会が行う路上生活者ための炊き出しに参加してきました。またカトリック児童福祉会の特別養護老人ホーム訪問して、お年寄りの話に耳を傾ける活動もあります。

残念ながら、これら2つのボランティア活動はコロナ禍のために休止状態ですが、併設の仙台白百合学園小学校の時間外預かりの児童たちと触れ合うボランティアは続けています。いずれのボランティアも参加は任意ですが、特別活動として認定されます。 「世代や境遇の異なる人たちと接する体験は、生徒の成長に大きなプラスになる」と渡邊教頭は話します。「自分の身近な人以外と接するのが苦手でも、教員とクラスメイトの助力や主催者の理解を得ながら、少しずつでも自分のできることを見つけて、ボランティアへ参加している生徒もいます」

最初に少し触れたように、仙台白百合学園高等学校のエンカレッジコースは広域通信制です。仙台市や宮城県以外に在住の生徒も入学できます。実際、エンカレッジコースには欧州にバレエ留学中の生徒も在籍しているそうです。時間割の拘束がほとんどない、柔軟で自由度の高い通信制なら、日々のレッスンや試合・大会への参加を中心にスケジュールを組めます。そうした理由で、芸術やスポーツの道を究めるために通信制を選ぶ人が増えています。

その一方、仙台白百合学園高等学校のような明るいキャンパス、安心できる恵まれた環境に親しみながら、できるだけ学校へ通う時間を多くするのも、エンカレッジコースの特性を十分に生かした学びになります。

自分を成長へと導いてくれる体験や出会いを、エンカレッジコースのどこに、どれだけ見つけられるか――まずは資料請求、そして学校説明会へ参加してみましょう。

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