通信制高校・高等専修学校ニュース

入学申し込みは、急がなくてはならないか?

新しい学校選びの基準 ニュースクからのアドバイス

「新しい学校選びフェア」総合相談デスクから②

「もう決めないとマズいでしょうか?」と心配そうにたずねるのは、中学3年の娘さんと今回(8月開催)の相談会に参加したお父さん。娘さんは学校を休みがちで、このままでは全日制高校へ進学しても続かないような気がして、かわりに通信制高校を検討しているところでした。

この日、ある通信制高校の相談ブースで話を聞くと、なんだか入学定員の枠が早くに埋まってしまうような説明だったらしいのです。急いで入学の申し込みをした方がよいかどうか、それを確かめたくてお父さんは、私どもの相談デスクで質問したのでした。

おそらく、その通信制高校は、早めに進路を決めて安心してください、という意図だったのかもしれません。でも、私どもの回答は「まだ時間がありますから、あわてなくても大丈夫」です。

中学卒業の間際でも大丈夫

通信制高校へ進学するのなら、入学申し込みは中学校3年の1~2月くらいでも遅くはありません。場合によっては、中学校を卒業する3月にズレ込んでもほとんどの場合、間に合います。この娘さんとお父さんには、そう話しました。

ごく稀に早めに締切る学校もあるため、入学を検討している学校が定員に達してしまわないかどうか気になるようでしたら、随時、電話で問い合わせるとよいでしょう。おそらくは、その度に「まだ空きがあります」「もう少し大丈夫です」という回答が大半でしょう。

というのも、通信制高校の多くは、学年途中で全日制から転入してくる生徒を見込んで募集計画を立てているので、春の新入学時期以降も定員に余裕があるのがふつうだからです。私立の通信制高校では、平均すると年間入学者のうち3割以上が年度途中の入学です。

資料を集めて複数の学校を比較

入学案内を用いて比較検討

学校選びで大切なのは、じっくりと比較検討すること。学校案内のパンフレットを請求したり、学校説明会に参加したりして情報を十分に集めましょう。はじめから一校に決めこまず、複数の通信制高校を比較するのが大切です。検討するうちに選びたい学校が絞られてきたら、オープンキャンパス(体験入学や学校見学会・学校説明会など)に何度か参加して感触を確かめてください。

これは「絶対」と言っても良いくらい学校選びに必要なステップです。

比較検討のタイミングは中学3年の夏休みから秋にかけてでも、けっして遅くありません。この時期なら、このあと複数の学校のオープンキャンパス(体験入学や学校見学会・学校説明会など)に参加する機会があるでしょうから、じっくりと選択肢にある学校を見くらべることができます。

もちろん、中学3年まで待たずとも、もし中学校で不登校が続いたり、全日制高校へ進学する気がなくなったりしたら、その時点で通信制高校の存在だけでも知っておくことをおすすめします。場合によっては、通信制高校の中等部(フリースクール)に通うことを検討してもよいかもしれません。高校に上がる前に、学校の雰囲気を感じ取ることができるので安心につながります。

まずは資料請求をしたり、近くで開催される学校説明会や進学相談会に参加したりして、通信制高校に関する情報を集めてください。できれば親子で、少なくとも親だけでも、通信制高校とはどんな学校かを知っておくと、進路・進学に関する不安や悩みが、きっと軽くなるはずです。

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※この記事は札幌・仙台・大阪にて不登校生等を対象とした合同進学相談会「新しい学校選びフェア」を企画・運営する「特定非営利活動法人高校生進学支援の会」協力のもと作成しております。

通信制高校出身だと進学や就職に不利ですか?

「新しい学校選びフェア」総合相談デスクから①

同じ疑問や不安を抱いている中学生や保護者が多いのではないでしょうか。中学3年の娘さんと一緒に総合相談デスクへ来たお父さんが気にしていたのは、次のことでした。

「通信制高校の卒業だと、大学進学や就職で不利にならないでしょうか」

結論から言えば「進学でも就職でも、通信制高校出身という理由だけで不利になることはない」というのが、私どもの見解です。お二人には、進学と就職、それぞれに分けて詳しく話しました。

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