通信制高校・高等専修学校ニュース
通信制高校、私立と公立を比較②在籍年齢層の違い
前回は通信制高等学校の卒業率の違いをお届けしました。
通信制高校、私立と公立を比較①違いはある?必ず卒業したいのなら、やはり私立が有利です
通信制高校にも公立と私立があります。学校数は、公立では通信制のみの独立校7校、全日制なども一緒の併置校71校。一方、私立では独立校106校、併置校69校。私立の通信制高校が圧倒的に多いのです(令和元年度「学校基本調査」)。では、それぞれの違いや特徴をくらべてみましょう。
今回は私立公立比較の第2弾、在籍生徒の年齢層の違いについて調べました。すべて政府統計「学校基本調査」によるものです。(2019年12月25日)
全く異なる年齢層
まずは以下の表をご覧ください。
公立、私立の在籍人数と割合を表にしたものです。(全学年合計)
私立通信制高校は中学卒業後すぐに入学となる15歳の割合が23.5%なのに対して公立では7.7%となっています。
くわえて公立通信制高校は20歳以上の方の割合が41.0%なのに対して私立では3.6%となっております。
ここまでの差がつく理由はどこにあるのでしょうか。
調査していくとそれぞれに全く異なるニーズがあることが分かりました。
公立通信制は在籍者の約半分が18歳以上
公立通信制高校のニーズ
公立通信制高校のメリットは学費の安さが挙げられます。自分で学費を払う必要がある場合、やはりこのメリットはとても大きなものとなるようです。世帯収入等にもよりますが公立通信制高校も就学支援金制度の対象となりますのでケースによっては無償となることもあります。
また、「働きながら学習して高卒資格を取りたい」というニーズを持つ方が多く、登校ペースは毎週土曜または日曜の一度のみのスクーリング、というケースが多いようです。公立高校の多くは恵まれた立地に無い場合も多いのですが、マイカー通学ができる年齢の方にはデメリットになりづらいという特性もあるようです。
私立通信制高校のニーズ
私立通信制高校のメリットは様々です。単位の取得しやすさや、先日お伝えした卒業率を最優先に選ぶ方もいますし、毎日通うことを前提に私立ならではの立地条件を理由に挙げる方もいます。また、芸能やIT、調理などの特殊分野を学ぶために選ばれることも多いのが特徴です。
「通信制高校」というくくり方
このように同じ通信制高校でも公立と私立では全く異なる層に利用されていることがわかります。
「通信制高校」でひとくくりにするのではなく「公立通信制高校」と「私立通信制高校」は全く違うものと考えた上で、どちらか片方だけの情報を得るのではなく、必ず両者を見比べてどちらの通信制課程が自分に適した環境であるのか考えてみてはいかがでしょうか。