通信制高校・高等専修学校ニュース

新入学と転入学・編入学、卒業時期

新しい学校選びの基準 ニュースクからのアドバイス

中学校を卒業した生徒が初めて高校へ入るのが「新入学」ですが、高校生が学校を移る「転入学」と高校へ入り直す「編入学」というものがあります。

転入学とは

いま学んでいる高校から別な高校へ移ることが転入学です。現在休学中の人も学校に籍はある(=高校生である)ので、他の高校へ移る場合は転入学となります。

全日制高校の間では転入学の条件や手続きが面倒なことがありますが、通信制高校への転入学は比較的容易で、ほとんどの学校で随時受け付けています。

退学せずに通信制高校へ転入

いま通っている全日制高校になじめない、友人や先生との関係が悪くて通い続けるのが苦痛、勉強についていけなくて進級が難しい――つらくて高校を中退したくなる気持ちでしょうが、ちょっと待ってください。通信制高校という新しい環境に移る、転入学という道があります。

全日制(学年制)高校で進級が難しくなった生徒は、通信制高校へ転入学すると、ひとまず留年という事態を避けられます。通信制高校にも学年はありますが、成績不振や出席日数不足による留年はありません。

転入学なら同学年と一緒に卒業も可能

通信制高校へ転入学する場合は、そのまま同じ学年に移行できます。後で述べるように、全日制高校から移るタイミングによっては、修得単位が少ないままの転入になりますが、通信制高校で履修のアドバイスを受け、計画的に学習を進めていけば、同学年から遅れずに、同じタイミングで卒業することも難しくありません。

ただし、3年生の後期のような、卒業間際になって通信制高校へ転入すると、必要な単位が年度内に修得できず、春3月に卒業できないこともあります。卒業時期は就職や大学受験に関わるので、転入先の通信制高校に早めに相談することが大切です。

編入学とは

高校を退学した人(=高校生ではない)が、あらためて高校に入り直すことが編入学です。

たいていは編入試験がありますが、これも転入学と同様、通信制高校への編入学の場合は比較的、容易です。多くの通信制高校では、本人の意思を確認する面接を重視しています。(新入学と同様)春と秋の2回、4月と10月を受付時期とする学校が多いようです。

前の高校を中退して、通信制高校に秋に編入学すると、卒業が同学年よりも半年遅れることになります。つまり、高校4年目の9月末が卒業時期です。

9月に卒業すると、翌春に進学や就職をしたい場合、「既卒者」であるために進路が決めにくくなることがあります。進路を決めやすい「新卒者」になるため、もう半年、学校に在籍して、あえて4年目の3月に卒業する方法もあります。

修得単位の引き継ぎ

通信制高校へ転入学や編入学する場合、前の高校でそれまでに勉強してきたことや、通った日数はどうなるのでしょうか。いちからやり直しなのでしょうか。

転入学でも、編入学でも、それまでに修得した単位や在籍日数は、これから入学する通信制高校へ引き継がれます。

転編入のタイミングと単位

ただし、いつ転入や編入するか、そのタイミングが重要です。というのも、学年途中の転入や編入では、その学年で履修中だった単位が引き継がれないからです。

たとえば、全日制高校(学年制)2年生の10月に通信制高校へ移るとしましょう。新しく通信制高校に引き継がれる修得単位は、前の高校の1年生までのものです。2年生になってからの分は、引き継ぎが認められません。なぜでしょうか。

通信制高校のほとんどが単位制なのに対して、全日制高校の多くは学年制をとっています。学年制では、それぞれの学年末に1年間の成績や出席日数などをもとに単位修得の認定が行なわれます。また、この認定によって進級・卒業が決まります。

ですから、この例のように学年の途中で高校を移ったり、辞めたりすると、せっかく学校に通った期間があるのに成績が付けられず、あるいは出席日数が足りず、単位修得が認められないことになります。そもそも引き継げる単位が無い、というわけです。

したがって、転入学・編入学のよいタイミングは、学年末の試験も終わった時期、単位修得が終わって進級の前、ということになります。その学年で修得した単位を引き継げるからです。

転編入は書類審査と面接で

一般に私立通信制高校では、新入学だけでなく、転入学・編入学でも、書類審査のみ、もしくは書類審査と面接のみ、という学校がほとんどです。大学受験コースなど一部のコースをのぞいて、入学に際して学力で生徒を選抜しません。ですから、前の学校で成績不振であっても、心配なく転編入を検討してください。

転入学・編入学の際には、それまでに高校で修得した単位が分かる「単位修得証明書」を提出することになります。それを基に通信制高校では、卒業までに修得が必要な単位を割り出し、履修のスケジュールを提案してくれます。この提案をふまえて、生徒は自分の生活スタイルや学習ペース、進路希望を考え合わせたうえで履修プランを決めます。

単位や在籍日数の引継ぎには、前の高校や転編入先の通信制高校によって取り扱いが違う場合もあります(学科や専門課程の単位など)。大切な点なので、詳しくは転編入希望先の通信制高校に問い合わせてください。または学校説明会・入学相談会でじかに質問してみることをお勧めします。

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