通信制高校・高等専修学校ニュース

実質無料で進学しやすくなった、通信制高校の学費について知る

新しい学校選びの基準 ニュースクからのアドバイス

通信制高校を含む私立高校の授業が実質無償、つまり家庭の負担が0円になったことは、ご存知ですね?(非課税~世帯年収590万円程度まで)

2020年春に「高校等就学支援金制度」が変わり、授業料にあてるために支給されるお金が大幅に増えたのです。その金額は私立高校の授業料の平均額にもとづいて決められたので、多くの私立高校については、支給額で授業料がカバーされます。就学支援金については、あとで詳しく説明します。

学費の内容は様々、案内資料で確かめる

さて、授業は実質無償化されましたが、学費は授業料だけではありません。入学金、施設設備費、教育関連諸費ほか、研修旅行の積立金、教科書や参考書など様々です。通信制高校ではスクーリングにかかる費用も用意しておかなくてはなりません。

そこで通信制高校の学費を知りたいと思い、目当ての学校のホームページや通信制高校に関するサイトを見たところ、「なんだか複雑」「ちょっと分かりにくい」「私の場合はどうなる?」と感じませんでしたか。

いろいろなコースを備え、多様な学び方を選べる私立の通信制高校では、生徒それぞれの学びのスタイルに応じて、学費がかなり異なります。ウェブサイトでは注意点や但し書きといった細かな情報までは(とくにスマートフォンでの閲覧の場合)見てもらいにくいので、納入金額の例をいくつか紹介するにとどめている学校が多いようです。

したがって、学費について詳しく知るには、やはり学校案内の資料を請求するのが正解です。

選ぶコースによって大きな差
――学費の例

先に述べたように2020年春に高等学校等就学支援金制度が拡充され、学費負担がさらに軽減されています。世帯年収590万円程度までの家庭にとっては、授業料の負担が無くなったと考えてよいでしょう。

ただ、その他の学費がありますから、学校によって納入金に差があるのはもちろんですが、同じ学校でも学び方によってかなりの違いが生じます。

ひとつの通信制高校でも、選ぶコースによって学費に大きな差が生じることを具体的に見てみましょう。

ネットで学ぶ通信コースと学校に通う通学コースを持つ、ある通信制高校の例です。世帯年収590万円程度までの生徒の場合は、以下に挙げた数字が3年間の納入金額の目安になります。太字で示したのが保護者の実質負担額です。

ある通信制高校の学費の例(3年間)

◎通信コース
学費約74万円[就学支援金受給後の実質負担]約21万円
(世帯年収590万円程度~910万円程度の生徒の場合、約39万円

◎通学コース
〈週5日通学〉学費約337万円
→実質負担約284万円約302万円

〈週3日通学〉学費約269万円
→実質負担約216万円約234万円

〈週1日通学〉学費約202万円
→実質負担約149万円約167万円

いかがですか。どのコースで、どんな学び方をするか――それによって同一の通信制高校でも、学費に大きな違いが生じることが分かります。詳しい資料を取り寄せてみれば、自分で、また家族と一緒に学費をじっくりと検討できるので、学校選びがスムーズに進むはずです。

金額だけでなく、教育の特徴や質までも知る

いくつかの通信制高校について授業料をはじめとする学費を比べてみた人もいるでしょう。就学支援金制度の充実によって高校の授業料負担が軽減されるか、無くなったにしても、それぞれの通信制高校が授業料を設定していることに変わりはありません。学校によって1単位あたりの授業料に違いがあります。なかには就学支援金でカバーしきれない額の場合もあります。

ただ、同じ科目でも学校によって教育スタイルに違いがあり、単純に授業料の金額のみで優劣や内容を判断するわけにはいきません。これもネット上の情報だけに頼ると、どうしても大雑把な比較になりがちで、大切な学校選びの上で正しい判断につながるかどうか分かりません。

正しい判断のためには、詳しい学校案内のパンフレットを取り寄せたり、学校説明会に足を運んだりして、それぞれの学校の教育の質をよく確かめることが不可欠です。

明示されない費用も予想しておく

学費に関して付け加えれば、事柄の性質上、案内資料に金額が明示されていない費用もあります。

たとえば、スクーリングに関わる費用があります。自分の住まいからスクーリングの場所までの往復交通費や、必要な場合の宿泊費は各自の負担になるのがふつうです。その金額は生徒によって異なりますから、自分で見積らなくてはなりません。

また、通信制高校で芸術や芸能、美容といったコースを選ぶのであれば、案内資料に明記されている授業料や実習のための諸経費のほか、コンテストやオーディションの参加費など自主的な課外活動に関わる出費も予想しておくべきでしょう。

どんな学校生活にしたいか、を忘れずに

私立の通信制高校の通学コースの場合、公立の通信制高校とくらべると、諸経費がかさみます。しかし、私立の私立らしさは、この諸経費にあると言ってもよいでしょう。

たとえば海外研修や課外の学習プログラムなど、公立にはなかなか真似のできない特徴ある教育環境を実現するうえで必要なのが、この諸経費です。逆に言えば、その学校で得られる様々な教育体験が諸経費に見合ったものかどうかが、学校選びの大きな判断材料になります。

制服や運動着、ノートパソコンやタブレットなど、購入が必須のもの以外にも、各種模擬試験や資格検定試験のように、受験は任意であっても、各自がお金を払って利用した方がよいものがあります。このあたりは学校によって異なりますし、同じ学校でも在籍するコースや将来の進路によって変わります。学校説明会やオープンキャンパスなどの機会に問い合わせてみることをお勧めします。

どんな学校生活を送りたいか、また高校卒業後にどんな進路を選択するか――その通信制高校で学ぶ自分を思い描いてみると、お金をかけてよいものと、自分には必要のないものが見えてきます。ここでもやはり、学校案内のパンフレットで情報を仕入れたり、オープンキャンパスで学校の雰囲気にじかに触れてみたりすることが大切です。

就学支援金制度――単位制の場合

私立の通信制高校の多くが単位制なので、高等学校等就学支援金について単位制授業を中心に説明します。

単位制の場合、その学年で履修した単位数に応じて支援金が支給されます。1単位あたり12,030円(世帯年収目安が590万円程度未満の場合)または4,812円(同590万円程度~910万円程度未満)です。支給期間は48か月で、支給の対象になるのは卒業要件である74単位まで。年間30単位が上限です。

したがって、その通信制高校の授業料が1単位あたり12,030円までで、年間の履修単位が30単位までなら、負担額は0円です(世帯年収目安が590万円程度未満の場合)。授業料と支援金との差額が各自の負担分となります。
(※当サイト「ニュースク」掲載校の多くは、1単位当たり授業料が12,000円以内のため支援金の範囲に収まります)

月ごとに授業料を徴収している場合、授業料と支給額は下の例のようになります。

【例1】
1単位あたりの授業料: 12,000円
1単位あたりの支援金支給額: 12,030円
履修期間: 12か月
登録単位: 32単位の場合――

◎授業料月額: 12,000円÷12か月×32単位=32,000円(端数切捨て)

◎支給上限額: 12,030円÷12か月×30単位=30,075円(年間30単位まで)

◎月の負担額 32,000円-30,075円=1,925円

【例2】
1単位あたりの授業料: 10,000円
1単位あたりの支援金支給額: 4,812円
履修期間: 12か月
登録単位: 30単位の場合――

◎授業料月額: 10,000円÷12か月×30単位=24,999円(端数切捨て)

◎支給上限額: 4,812円÷12か月×30単位=12,030円(年間30単位まで)

◎月の負担額 24,999円-12,030円=12,969円

就学支援金の受給申請は高校を通じてします。受給資格の認定は、毎年度行なわれます。

就学支援金制度では、高校が生徒本人に代って支援金を受け取り、授業料に充てます。学校によっては、いったん授業料を全額納付しなければならないこともあります。その場合は、後日、就学支援金に相当する額が還付されます。

※定額授業の場合

私立の通信制高校でも単位制ではなく、月額授業料が定まっている場合の支援金支給額は、24,750円(世帯年収目安が590万円程度未満の場合)または9,900円(同590万円程度~910万円程度未満)です。

※支給額の判定基準

話を分かりやすくするために、就学支援金の支給額の基準として世帯年収を目安に説明してきましたが、実際はもう少し複雑です。判定基準の計算式は、下の通りです。

区市町村民税の課税標準額×6%-区市町村民税の調整控除の額(課税地が政令指定都市の場合は、調整控除の額に3/4をかける。)

この計算の結果が
154,500円未満なら1単位12,030円。
304,200円未満なら1単位4,812円。
304,200円以上なら支給なし。

まずは資料請求から始めよう

都道府県や市町村、あるいは民間団体などが独自に行っている奨学金があります。原則として、就学支援金は減額されないまま、両方を受け取ることが可能です。ただし、民間団体の奨学金では併給(両方を同時に受給すること)を認めていない場合がありますから、あらかじめ受給資格や要件を確認してください。

就学支援金制度の拡充は、いままで「学費が高い」と私立の通信制高校を敬遠していた保護者や生徒にとって、進学先を考え直すよいきっかけになります。毎月の授業料の負担が無くなったり大幅に減ったりすることで、暮らし方をあまり変えることなく子どもを高校へ通わせられるでしょうし、また、兄弟姉妹ともに同時に私立高校にやることも無理なくできるようになりそうです。その他の奨学金ほか経済的支援制度を利用すると、私立の通信制高校も手の届く選択肢になるかもしれません。

通信制高校でこそ、伸ばせる実力や広げられる可能性があるかもしれません。最適な学びの場を選ぶことで、子どもの成長を後押ししてやりたいものです。そのためにも、ぜひ経済的な条件をクリアして通信制高校進学の希望をかなえましょう。まずは学校案内の資料請求から、始めてみませんか。

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