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【2025年最新版】2024年度 都道府県別「不登校生徒数」と年度別不登校人数の推移

専門家に聞く!統計データから見る!不登校脱却のヒント

不登校生は増加の一途

昨年度(2024年度)の不登校の小中学生は35万3970人で過去最多。小学生13万7704人(前年度比7334人増)、中学生21万6266人(前年度比154人増)です。
いずれも12年連続の増加で、不登校の小中学生数は初めて35万人を突破したものの、前年度からの増加率は2.2%(23年度は15.9%)と下がっています。小学生の不登校は10年前の約5.5倍、中学生は約2.2倍に増加しました。

その理由としてコロナ禍の影響(児童生徒の登校意欲が低いまま)の継続や教員不足の現状では子どもに必要な支援や配慮が不足しがちなのも影響しているとの指摘もあるようです。
また、近年、文部科学省が「不登校は問題行動ではない」と明示していることも一因と思われます。

一方、高校生の不登校は前年度より988人少ない、6万7,782人となっております。

また同調査における、いじめの認知件数は小中高校など合わせて76万9022件で前年度から3万6454件増加し過去最多です。

ここで不登校者数の推移と、都道府県ごとの不登校の児童・生徒の数と割合を見てみます。以下、データの出典は文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(令和7年10月29日発表)です。

不登校生徒(児童)数の年度別推移

平成18年度以降の全国の小中学校と高校の不登校児童生徒数は、下表のとおりです。
平成24年度までは小中学校ともに不登校者の数は、おおむね横ばいか若干の減少傾向でしたが、平成24年度を境に増加に転じます。以降令和6年度まで12年連続の増加です。小中学校いずれも平成28年度から不登校の児童生徒数の伸びが大きくなっています。

高校生の不登校者数は大きく見るとゆるやかな減少傾向でしたが、令和2年度の約4万3千人から翌3年度には5万人超と急増。さらに4年度は6万人超、5年度は6万8000人を大きく超え、増加の一途をたどっていましたが、令和6年度は若干の減少となりました。

【年度別の不登校生徒数・割合(小学校・中学校・高校)】

年度小学校の不登校
児童数と割合
中学校の不登校
生徒数と割合
高等学校の不登校
生徒数と割合
平成18年度23,825人
(0.33%)
103,069人
(2.86%)
57,544人
(1.65%)
平成19年度23,927人
(0.34%)
105,328人
(2.91%)
53,041人
(1.58%)
平成20年度22,652人
(0.32%)
104,153人
(2.89%)
53,024人
(1.58%)
平成21年度22,327人
(0.32%)
100,105人
(2.77%)
51,728人
(1.55%)
平成22年度22,463人
(0.32%)
97,428人
(2.73%)
55,776人
(1.66%)
平成23年度22,622人
(0.33%)
94,836人
(2.64%)
56,361人
(1.68%)
平成24年度21,243人
(0.31%)
91,446人
(2.56%)
57,664人
(1.72%)
平成25年度24,175人
(0.36%)
95,442人
(2.69%)
55,655人
(1.67%)
平成26年度25,864人
(0.39%)
97,033人
(2.76%)
53,156人
(1.59%)
平成27年度27,583人
(0.42%)
98,408人
(2.83%)
49,563人
(1.49%)
平成28年度30,448人
(0.47%)
103,235人
(3.01%)
48,565人
(1.46%)
平成29年度35,032人
(0.54%)
108,999人
(3.25%)
49,643人
(1.51%)
平成30年度44,841人
(0.7%)
119,687人
(3.65%)
52,723人
(1.63%)
令和元年度53,350人
(0.83%)
127,922人
(3.94%)
50,100人
(1.58%)
令和2年度63,350人
(1.0%)
132,777人
(4.09%)
43,051人
(1.39%)
令和3年度81,498人
(1.3%)
163,442人
(5.0%)
50,985人
(1.7%)
令和4年度105,112人
(1.7%)
193,936人
(5.98%)
60,575人
(2.0%)
令和5年度130,370人
(2.14%)
216,112人
(6.71%)
68,770人
(2.35%)
令和6年度137,704人
(2.30%)
216,266人
(6.79%)
67,782人
(2.33%)
年度別の不登校生徒数・割合(小学校・中学校・高校)

都道府県別の不登校生数と1000人あたりの割合

都道府県別に不登校児童生徒数をみると、小中学校と高校いずれも、東京・神奈川・愛知・大阪といった大都市圏を抱える都府県が上位になる傾向は変わっていません。

【都道府県別の不登校生徒数】

順位小学校中学校高等学校
1位東京都
13,548人
東京都
20,283人
大阪府
7,458人
2位神奈川県
10,275人
大阪府
15,031人
東京都
7,132人
3位愛知県
10,028人
神奈川県
14,956人
神奈川県
4,749人
4位大阪府
8,718人
愛知県
14,899人
埼玉県
3,850人
5位福岡県
8,008人
福岡県
11,594人
千葉県
3,767人
6位埼玉県
6,360人
埼玉県
10,996人
福岡県
3,372人
7位千葉県
6,143人
兵庫県
9,994人
愛知県
3,136人
8位兵庫県
5,874人
北海道
9,371人
兵庫県
1,887人
9位静岡県
5,133人
千葉県
8,740人
宮城県
1,857人
10位北海道
4,881人
静岡県
6,985人
広島県
1,843人
11位広島県
3,559人
広島県
5,179人
静岡県
1,701人
12位沖縄県
3,523人
茨城県
5,031人
沖縄県
1,526人
13位長野県
3,051人
宮城県
4,723人
三重県
1,322人
14位宮城県
3,002人
長野県
4,197人
群馬県
1,277人
15位茨城県
2,904人
沖縄県
3,909人
栃木県
1,247人
16位京都府
2,593人
京都府
3,897人
北海道
1,188人
17位岐阜県
2,326人
栃木県
3,840人
京都府
1,146人
18位栃木県
2,192人
新潟県
3,710人
岡山県
1,141人
19位熊本県
2,133人
熊本県
3,648人
奈良県
1,114人
20位新潟県
2,119人
岐阜県
3,571人
新潟県
1,100人
21位三重県
1,954人
鹿児島県
3,241人
滋賀県
1,070人
22位岡山県
1,807人
群馬県
2,997人
鹿児島県
1,021人
23位群馬県
1,791人
三重県
2,937人
石川県
961人
24位鹿児島県
1,768人
福島県
2,869人
岐阜県
927人
25位滋賀県
1,702人
滋賀県
2,603人
熊本県
751人
26位愛媛県
1,578人
奈良県
2,453人
茨城県
747人
27位福島県
1,496人
岡山県
2,434人
長野県
743人
28位長崎県
1,420人
長崎県
2,378人
和歌山県
735人
29位奈良県
1,417人
愛媛県
2,372人
長崎県
691人
30位山口県
1,412人
山口県
2,161人
大分県
690人
31位石川県
1,237人
石川県
1,973人
愛媛県
682人
32位大分県
1,133人
大分県
1,942人
岩手県
666人
33位富山県
1,106人
青森県
1,888人
山形県
642人
34位島根県
1,056人
宮崎県
1,788人
宮崎県
565人
35位宮崎県
1,054人
岩手県
1,754人
富山県
558人
36位青森県
981人
和歌山県
1,544人
香川県
524人
37位和歌山県
967人
富山県
1,518人
佐賀県
465人
38位岩手県
931人
山形県
1,494人
福島県
458人
39位香川県
858人
山梨県
1,493人
山口県(38位)
458人
40位佐賀県(39位)
858人
香川県
1,395人
秋田県
448人
41位山形県
849人
島根県
1,389人
島根県
445人
42位山梨県
844人
佐賀県
1,370人
青森県
407人
43位秋田県
699人
秋田県
1,328人
福井県
401人
44位鳥取県
653人
徳島県
1,241人
鳥取県
280人
45位高知県
604人
鳥取県
1,111人
高知県
249人
46位福井県
586人
福井県
1,075人
徳島県
222人
47位徳島県
576人
高知県
991人
山梨県
163人
都道府県別の不登校生徒数

次いで1000人あたりの不登校生徒の割合を見てみましょう。小学校では全国平均が23.0人(前年度21.4人)、中学校67.9人(同67.1人)、高校23.3人(同23.5人)です。小・中学校では前年度にくらべて増えています。

小学校で1000人あたりの不登校者数が多いのは、沖縄、島根、長野、静岡、福岡と続きます。中学校では宮城、福岡、島根、長野、北海道と続きます。また高校では大阪、沖縄、奈良、宮城、石川の順で、近畿圏が不登校者の割合の大きい傾向にあります。上位10県をみると、大都市圏のある都道府県よりも、いわゆる地方の県の方が割合の高い傾向が見られます。

小学校から中学校へ変わると不登校者数の割合が大きくなるのは、どの都道府県にも見られる全般的な傾向です。これが高校へ変わると、不登校者数の割合の差が都道府県ごとに大きくなります。

【都道府県別 1,000人当たりの不登校生徒数】

順位小学校中学校高等学校
1位沖縄県
35.4人
宮城県
82.8人
大阪府
37.8人
2位島根県
32.1人
福岡県
81.7人
沖縄県
35.7人
3位長野県
31.5人
島根県
80.7人
奈良県
35.6人
4位静岡県
30.0人
長野県
80.0人
宮城県
34.7人
5位福岡県
29.3人
北海道
78.6人
石川県
33.3人
6位宮城県
27.9人
栃木県
78.2人
和歌山県
33.2人
7位愛知県
25.7人
沖縄県
77.5人
三重県
31.2人
8位愛媛県
25.6人
鳥取県
77.2人
滋賀県
29.8人
9位広島県
25.4人
山梨県
75.1人
群馬県
27.8人
10位岐阜県
24.332人
熊本県
74.7人
広島県
27.58人
11位富山県
24.325人
静岡県
73.8人
千葉県
27.57人
12位栃木県
24.2人
愛知県
72.0人
福岡県
27.3人
13位鳥取県
23.9人
徳島県
71.7人
栃木県
26.9人
14位神奈川県
23.6人
兵庫県
70.7人
島根県
26.8人
15位山口県
23.4人
奈良県
70.43人
山形県
25.1人
16位三重県
23.23人
鹿児島県
70.42人
鹿児島県
25.0人
17位和歌山県
23.20人
新潟県
69.7人
神奈川県
24.6人
18位山梨県
23.0人
大阪府
69.3人
大分県
24.5人
19位熊本県
22.91人
愛媛県
69.0人
埼玉県
24.1人
20位石川県
22.87人
長崎県
68.7人
岡山県
23.8人
21位奈良県
22.6人
広島県
68.5人
岩手県
23.7人
22位北海道
22.4人
石川県
68.3人
富山県
23.4人
23位滋賀県
22.19人
茨城県
68.2人
東京都
23.3人
24位京都府
22.17人
岐阜県
67.73人
香川県
22.6人
25位兵庫県
21.94人
青森県
67.68人
秋田県
22.3人
26位新潟県
21.86人
和歌山県
67.64人
新潟県
22.0人
27位長崎県
21.8人
大分県
66.61人
愛媛県
21.4人
28位東京都
21.6人
神奈川県
66.57人
佐賀県
21.14人
29位茨城県
21.5人
福島県
65.7人
長崎県
21.05人
30位大阪府
21.3人
秋田県
65.5人
福井県
19.9人
31位大分県
20.9人
山口県
65.3人
宮崎県
19.7人
32位鹿児島県
20.8人
滋賀県
64.0人
静岡県
19.3人
33位千葉県
20.7人
三重県
63.33人
岐阜県
19.2人
34位群馬県
20.3人
東京都
63.25人
京都府
17.8人
35位高知県
20.2人
高知県
62.4人
熊本県
17.5人
36位秋田県
19.8人
富山県
61.7人
愛知県
17.3人
37位佐賀県
19.7人
群馬県
61.5人
山口県
15.5人
38位岡山県
19.4人
岩手県
61.3人
高知県
15.4人
39位青森県
19.2人
京都府
60.7人
兵庫県
15.2人
40位宮崎県
18.6人
埼玉県
59.9人
長野県
14.84人
41位香川県
18.5人
宮崎県
58.26人
青森県
14.76人
42位山形県
18.3人
山形県
58.25人
徳島県
13.8人
43位埼玉県
18.1人
佐賀県
57.7人
福島県
11.04人
44位福島県
18.0人
千葉県
56.4人
北海道
10.96人
45位岩手県
17.9人
香川県
56.3人
茨城県
10.8人
46位徳島県
17.7人
福井県
52.6人
鳥取県
10.7人
47位福井県
15.8人
岡山県
48.8人
山梨県
7.8人
都道府県別 1,000人当たりの不登校生徒数

不登校は将来を考えるチャンス
あせらずに、まずは情報収集を

在籍する児童生徒全体に占める不登校児童生徒の割合(令和6年度)は、全国平均で小学校2.30%(約44人に1人)、中学校6.79%(約15人に1人)です。計算上は中学校ではクラスに2~3人程度は不登校の生徒が存在することになります。すでに不登校は珍しいケースではなく、誰にでも起こりうるものと考えておいた方がよいでしょう。

「まさか自分が…」「どうして自分の子が…」――不登校になれば、子も親も動揺したり、悩んだりして当然です。出口の見えないトンネルの中をさまよっているようで、焦りがつのる人、やがてあきらめに襲われる人がたくさんいます。

しかし、出口はきっと見つかります。

たとえば、いま悩んでいること、心配していることの多くは、進学に関係していませんか。全日制高校だけが正規のルートではありません。通信制高校という道、もしかすると、より自分に適した道があることを知っておけば、それだけでずいぶんと気持ちが軽くなります。

もし今、あなたが不登校でいるなら、この経験はけっしてマイナスばかりではないことを知ってください。不登校を経験したからこそ、じっくりと自分の将来を考える時間を持てた――そう言う先輩方もたくさんいます。つまずきは、成長の機会にもなるのです。

進学が気になったら、通信制高校について少し調べてみましょう。中学校の先(もしくは今の高校とは別の道)に、あなたの個性を生かしたり、あなたの能力を伸ばしたりできる、多様な可能性が広がっていることが感じられるはずです。

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