通信制高校・高等専修学校ニュース
女子ゴルフ 通信制出身の新世代
1998年生まれの「黄金世代」、その2つ下の「プラチナ世代」、2001年以降に生まれた「ミレニアム世代」と、若い選手が目覚ましい活躍を見せているのが日本の女子プロゴルフ界です。
いま注目されている選手を何人か挙げてみましょう(カッコ内は記事執筆時の年齢です)。
通信制で学んだ4人
2022年8月、女子ゴルフのアマチュア最高峰、全米女子アマチュア選手権で優勝した馬場咲希選手(17)は私立通信制高校2年生。5歳でクラブを握り、すでに小学校低学年でプロゴルファーを将来の途として思い描いていたと言います。全米女子アマ優勝は日本人37年ぶりの快挙でした。
笹生優花選手(21)は、通信制高校在学中の2019年11月にプロテストに合格。卒業後も国内外の大きな大会で栄冠を勝ち取り、2021年6月には全米女子オープン選手権で優勝。日本の女子選手としては3人目、しかも 大会史上最年少での初優勝となりました。
2021年、狭き門であるプロテストに2度目の挑戦で合格、晴れて女子プロゴルファーとなった浜崎未来選手(22)は島根県の公立高校通信制課程の出身。高校1年の時には全国高等学校ゴルフ選手権・個人で優勝を飾るなど早くから頭角を現しています。
上の3人よりもちょっとお姉さんの永井花奈選手(25)は、小柄ながらも力強いショットを武器に国内外の大会で活躍しています。中学高校時代から全国レベルの選手権で上位に入ってきました。私立高校の通信制課程を経て、2016年に堂々1位でプロテスト合格です。
以上4人はインターネット検索で比較的容易に見つけられた通信制出身の女子プロゴルファーの例です。調べてみればこの他にも通信制高校で学んでいる選手、通信制課程出身の選手は、プロ・アマあわせてまだまだいることでしょう。
学びつつ、競技に打ち込める
新世代の女子プロゴルファーの活躍は本人の努力の成果であることは言うまでもありませんが、通信制課程を選んだことが実力養成に大いにプラスになったのではないでしょうか。なにより通信制には
練習時間をつくりやすい
競技大会に出場しやすい
というメリットがあります。また、学校によっては
練習設備が充実している
同じ志を持つ仲間がいる
という環境面の利点もあります。
もちろんこれはゴルフに限った話ではありません。スポーツ、とくに個人競技であれば、通信制高校のメリットが同じように当てはまります。
伸び盛りの若い時代を生かすために
ゴルフなどは一般にプロとしての競技人生が長いほうですが、スポーツによっては若いうちに選手生活のピークを迎えるものもあります。
したがって、早いうちから国内外の競技大会にエントリーし、活躍の舞台に立つことが求められるアスリートもいるわけです。タイミングを逃さず、ベストなコンディションで大会に出場するには、スケジュール調整のしやすい通信制高校の学び方が最適と言えるでしょう。
本気でプロをめざす高校生アスリートは、練習の合間に、あるいは遠征の途中で学校の勉強をするなど、けっして両立は楽ではないようです。しかし、生活のウエイトにおいては競技が「主」で高校が「従」というスタイルを可能にしてくれるのが通信制なのです。
※記事中の年齢は、2023年1月現在