通信制高校・高等専修学校ニュース

通信制課程と全日制課程、2つを視野に

新しい学校選びの基準 ニュースクからのアドバイス

「新しい学校選びフェア」総合相談デスクから④

今回(9月)のフェア(合同説明会)でも、中学2年生で起立性調節障害に悩む男子と、同じく中学2年生で引きこもりがちの男子について保護者のから相談を受けました。どちらの相談者も、現在、ほとんど中学校に通っていないケースです。

生徒や保護者が中学1年や2年のうちから通信制高校について情報を集めるのは、とてもよいことなのですが、総合相談デスクでは「急ぎすぎて進路選択の幅を狭めないように」とアドバイスしています。

通信制課程⇒全日制課程は、まず無理

ふくれっ面の高校生

このアドバイスの前提になっているのは「全日制高校から通信制高校へ転入するのは容易」「逆に通信制高校から全日制高校への転入は、ほとんど無理」という事実です。ですから、まだ迷っている生徒と親には、通信制高校に関する情報集めを始めるとともに、全日制高校へ進学する選択肢を残しておくことを勧めています。

もちろん、中学1年や2年のうちに通信制高校が自分に最も適した進学先だと確信できれば、その進路選択でかまいません。しかし、まだ全日制高校へ進みたいという思いがあって気持ちが揺れているのなら、受験できる条件(次項で説明します)を満たしておくことを考えましょう。ただし、けっして無理をしないように。

定期試験と出席日数

相談に訪れる中学生やその親に私どもが最初に尋ねるのは「定期考査(中間テストや期末テスト)は受けたか」「2時間目、3時間目からでも、あるいは午後からでも登校できそうか」。この質問をするのは、内申書(調査書)に記載される内申点(成績評価)が付けられるかどうかを確かめたいからです。

中間テストや期末テストを受けていないのであれば、内申点は相当低いか付けられないままになります。全日制の公立高校の入試の合否は、この内申点と入学試験での得点とを合わせて判断されますから、内申点が付いていない場合は、まず合格が望めません。そのうえ公立高校では中学校での欠席日数も合否判断の材料にしますから、不登校が長いと重ねて不利になります。

私立の全日制高校のなかには、内申点よりも入学試験の得点をより重視する学校もありますが、中学校を長く学校を休んでいた生徒のほとんどは学力不足なので、入試での逆転は不可能に近いことです。

体調が十分に整い、気力もあるのなら、中間テストや期末テストだけでも受けておく。保健室登校でもいいので、1日1時間だけでも授業を受けてみる。可能であればフリースクールに通って、それを中学校の出席日数として認めてもらう。――全日制高校へ進学してみたい気持ちが残っているなら、こうしたことに取り組んでみましょう。くれぐれも無理のない範囲で。とくに保護者は、子どもに無理強いせずに見守ってください。

悔いのない学校選びのために

迷いがある人は、ひとまず全日制高校の受験と通信制高校と2つを視野に入れて進学準備をしましょう。見極めの最終時期は、中学3年の夏です。この時点で、内申点と出席日数が受験上、支障になるようなら、通信制高校への進学に絞ることにします。中3の夏からでも、通信制高校の学校選びは十分にできます。

繰り返しになりますが、このアドバイスは、進学先に迷っている中学生が「全日制へ行ってみたかった、受験しておくべきだった」という後悔を残さないためのものです。全日制高校への進学は考えていない人や、やはり通信制高校が自分に適していると思う人は、すぐにでも通信制高校の資料請求・学校見学を始めてください。

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※この記事は札幌・仙台・大阪にて不登校生等を対象とした合同進学相談会「新しい学校選びフェア」を企画・運営する「特定非営利活動法人高校生進学支援の会」協力のもと作成しております。

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