通信制高校・高等専修学校ニュース

通信制高校のレポートとは?

特色ある科目、ユニークな授業 通信制・高等専修学校の強み

通信制高校で学ぶ生徒は「レポート提出」をしなければなりません。レポートと聞くと、とても難しい課題のように思えますが、通信制高校のレポートは、けっして難しいものではありません。

レポートは基本事項の確認

まず、レポートといっても、長い作文を書くわけではありません。出題の形式は学校によって異なりますが、選択問題や穴埋め問題、教科書の内容要約などの短い記述問題が一般的です。そのほとんどは、きっと自力で解けることでしょう。

というのも、通信制高校のレポートはおおむね、その科目の知識のうち、少なくともこれだけは身につけてほしいというレベルに設定されているからです。教科書レベルを大きく超えるような問題はありません。教科書やその他の教材を通じて基本事項を理解していれば、難しいと感じることはないはずです。

学習内容や生徒によって違いはありますが、レポート作成1回あたりにかかる時間は30分~1時間程度、というのが学校関係者の話です。

レポート作成から提出まで

通信制高校では、レポートの作成・提出が学習の柱です。作成から提出まで、どんな手順で進めるのかを見ていきましょう。

(1)教科書・教材での勉強

学校が課題範囲と教科書・教材で読むべきところを指示しますから、それにあわせて勉強します。辞書で調べたり、確認問題を解いたりすることもあります。

(2)レポートの作成

教科書や教材を参考に、レポート課題を解きます。問題の意味が分からなかったり、解けない箇所があったりするときは、そのままにせず、学校のサポートを受けることが大切です。ほとんどの通信制高校では、自宅学習で分からないことがあれば、ネットで先生に質問できます。通学コースの生徒なら、登校時に先生に指導してもらうことができます。

(3)レポートの提出

作成したレポートを学校に提出します。提出方法は、郵送や学校への持参が一般的です。最近では、パソコンやスマートフォンを使ってインターネットでレポートの作成・提出ができる学校も増えています。

(4)レポートの再提出

レポートは提出すれば終わり、ではありません。提出したレポートは、先生がチェックをします。学習内容を十分に理解していると判断されれば、それでOKです。理解が不十分なところがあれば、それを指摘してくれますから、指示やアドバイスに従って復習し、再度レポートを作成します。

レポートの回数

単位の修得に必要なレポートの回数は文部科学省によって定められています(下表)。いくつかの科目については、それぞれの学校裁量で回数が決められる場合もあります。

【1単位に必要なレポート(添削指導)の回数】


◎国語、地理歴史、公民及び数学に関する科目: 3
◎理科に属する科目: 3
◎保健体育に属する科目のうち「体育」: 1
◎保健体育に属する科目のうち「保健」: 3
◎芸術及び外国語に属する科目: 3
◎家庭及び情報に属する科目及び専門教科・科目: 2~3
※『高等学校学習指導要領解説 総則編』(文部科学省)

上の表によれば、1単位あたりのレポート提出は3回程度です。年間に25単位を履修した場合、3回×25単位で、ざっと75回のレポート提出があります。月間にならすと6通程度ですから、ためこんだりしなければ、けっして多すぎる勉強量ではありません。

やさしい内容とはいえ、レポート課題を無理なくこなしていくには、適切な学習計画が欠かせません。学習方法やスケジュールについて学校や先生によく相談して、アドバイスをもらいながら、自分の勉強のペースを作ることが大切です。

さらに試験で単位認定

レポート提出とスクーリング(対面授業)を済ませると、年度末に単位認定試験を受け、そこで学習内容を十分に理解していることが確かめられれば、単位修得となります。

この単位認定試験は、レポート課題と同様、教科書のレベルを大きく超え出るものではありません。毎回のレポート提出をこなし、それに対する添削にしたがって復習をしておけば、まず心配なくクリアできます。出題範囲は広いのですが、スクーリングや添削の際に試験に出そうな事項を教えてもらえるので、ポイントをしぼった対策もできます。

レポート作成に関するアドバイス、日々の学習で生じるちょっとした疑問・質問への回答、中学レベルに戻っての復習指導など、通信制高校では勉強に不安のある生徒を支援する方策をいろいろと揃えています。

こうした学習サポートの方法には、それぞれの通信制高校の個性や特徴が反映されていますから、詳しく知っておくことをお勧めします。自分に合ったサポートが得られそうかどうか、学校説明会・入学相談会に参加して、じかに話を聞いたり、学校案内の資料を請求したりして確かめてみましょう。