「不登校でも出席扱い」になる方法

◆「不登校でも出席扱い」になる方法

 

高校入試の合否判定で大きな意味を持つ調査書のことは、前に記した通りです。不登校で出席日数が少なく、そのため調査書の内容が悪くなるのであれば、たとえ不登校でも、できる範囲で出席日数を増やしてみましょう。

 

不登校なのに出席として認めてもらう?

 

そうです。それは、けっして無理ではないのです。出席扱いにしてもらう方法として、次の(1)~(4)があります。

 

(1)保健室登校

教室には入りたくないけれど、なんとか登校はできる――不登校の程度がまだ浅い状態なら可能な方法です。保健室で学科の課題を解くなど勉強に取り組めるなら、出席日数として認められます。

 

(2)適応指導教室(教育支援センター)

中学校とは別の場所にある学習の場で勉強するものです。子どもにうまくマッチして通い続けられれば、中学校の出席日数として認められます。文科省の取り組みなので、利用料や授業料は不要です。

 

(3)フリースクール

民間運営のフリースクールに通うという選択肢もあります。最終的には在籍する中学校の校長裁量で決まりますが、文科省ではフリースクールの出席日数を中学校の出席日数に含めるように指導しています。フリースクールのなかには生徒の在籍する中学校とつながりをもって、出席日数をスムーズに認めてもらうよう、フリースクールでの授業内容や生徒の取り組み成果などを中学校に報告している例もあります。

 

(4)不登校専門の家庭教師

不登校の生徒にカウンセラーの資格を持つ家庭教師を派遣する教育サービス会社が存在します。カウンセリングで子どもの心をよい方向に導きながら、勉強面での不安も取り除いてくれます。学校復帰につながるかもしれませんし、そうでなくても高校進学に際して学力不足の心配を解消することができるでしょう。

 

文科省の通知によると、家庭教師が中学校と定期的に連絡を取り、家庭での学習計画などを伝えて実質のある勉強を続けていることが分かれば、家での家庭教師との勉強時間を出席日数として認めてもよい、としています。条件を満たせば、その勉強時間の内には、オンラインでの授業やアプリを用いた自習も含めてよいとされます。

 

たとえ中学校の教室で授業を受けられなくても、上記(1)~(4)いずれかのかたちで勉強をしていることが分かれば、中学校の出席日数として認めてもらうことが可能です。「不登校でも出席扱い」になるのです。

 

 

 

 

目次(以下見出しから各ページにリンクしています)

不登校とは何か
◆不登校の前史
◆「年30日以上欠席」が定義
◆「どの児童生徒にも起こりうる」
◆いじめ自殺で意識変化
◆さまざまな原因
◆不登校への対応方針

 



不登校のタイプ

◆不登校 6つのタイプ
◆「不安など情緒的混乱」型
◆「無気力」型
◆「学校生活上の影響」型
◆「あそび・非行」型
◆「意図的な拒否」型
◆「複合」型
◆不登校は「病気」なのか?
◆不登校の経験で「人に優しくなった」

 



データで見る不登校

◆不登校の現状
◆将来の見通し
◆不登校でも進学に希望

 


 

中学生の不登校
◆不登校でも中学は卒業できる?
◆出席日数・調査書・高校受
◆不登校でも高校受験はできる?
◆「不登校でも出席扱い」になる方法
◆できるだけ学校との関わりを保つ

 


 

不登校 早期発見のために
◆前兆を見逃さない

◆子どもが家庭で見せる兆候
◆子どもが学校で見せる兆候

 



親自身のメンタルケア
◆不登校が長びく覚悟も

◆ストレスをため込まない
◆気持ちをコントロールする
◆段階(1)強い不安
◆段階(2)他者批判
◆段階(3)自責の念
◆段階(4)前向きな姿勢
◆粘り強く対処し続けるために
◆専門家の助けを借りつつ

 


 

ストレス・不安を軽くする
◆専門家・経験者の話に学ぶ

◆「うちの子だけ」ではない
◆親だけで頑張らない
◆学校復帰にこだわらない
◆先行きを悲観しない
◆あせらずに待ってみる
◆「親の会」など、話せる場を持つ