通信制高校・高等専修学校ニュース

起立性調節障害になった際は「午後から登校できる」通信制高校に注目しよう!

専門家に聞く!統計データから見る!不登校脱却のヒント

「午前中の体調が悪く朝から登校することができません」。

合同進路相談会の「学校選びサポート(相談対応)」でこのような質問を多くの方から受けています。起立性調節障害(OD)や過敏性腸症候群(IBS)など、毎朝の通学に困難を抱えている生徒は一定数おります。遅刻や欠席が多くなり、周りからも「怠けている」「さぼり」などと誤解されているケースも見られます。

こういった状況下での高校進学は「午後から登校ができる」通信制校高校に注目するようお勧めしています。

起立性調節障害とは

以前にも記事にしていますので詳細は過去の記事をお読みいただければと思いますが、改めておさらいしましょう。

起立性調節障害は、自律神経の異常により血圧や心拍数の調節が上手くはたらかず、起立時に身体や脳への血流が低下し、朝の起床のつらさ、立ちくらみやめまい、動悸(どうき)、失神などが現れる病気のこと。一般的に10歳〜16歳の子供が発症しやすいといわれ、すなわち中学生~高校生世代が多く罹る病気で、中学生では約10%の割合で発症します。

起立性調節障害の受診は「○○科」?

小学生・中学生の場合は「小児科」で診てもらいましょう。多くの小児科医は起立性調節障害の対応に慣れていますので、かかりつけ医や近隣小児科の受診を推奨します。

高校生は大人と同じく「内科」への受診が一般的ですが、症状によっては他の診療科のほうが良い場合もあります。例えば、失神するなどがあれば「神経内科」へ、動悸がみられるのであれば「循環器内科」、心の問題が明らかの場合は「心療内科」を受診しましょう。最もつらい症状に応じて診療科を選ぶことが重要です。迷った場合は内科や総合内科を推奨します。

起立性調節障害は治りますか?

適切な治療を施すことで、軽症例では数ヶ月~1年以内に、登校に支障をきたすような中程度以上の症例でもほとんどのケースで数年以内に症状が改善するといわれています。

起立性調節障害は「体の病気」だということを正しく理解し、むやみに責めたり、無理やり学校に行かせたりするのはやめましょう。周囲の理解とサポートが必要です。

中学校卒業後の高校進学をどうすべきか

先にも述べた通り、起立性調節障害は「中学生~高校生」世代に多く見られる病気です。まさに中学3年生の進路選択の場面で、高校選択をどうしたらよいか悩んでしまうことがあるかもしれません。

ひとつの目安として「中学校3年生の夏休み明けの状態」がどうか、9月~10月頃の登校状況で中学校卒業後の進路に目途をつけておくことがポイントとなります。この時期に「朝起きられない」「午前中は体の調子が悪い」ということであれば、全日制高校より通信制高校のほうが良いと判断できます。授業開始時刻や登校日数に柔軟性があるからです。今の通信制高校は様々なスタイルでの学び方・通い方に対応しており、無理なく高校卒業資格を得ることが可能です。

もちろん、生徒本人に全日制高校進学への強い意志があれば、これを尊重すべきではありますが、月曜日から金曜日までの毎日、それも朝からの登校に支障はないか、冷静な判断が重要となります。主治医との相談も必要です。

午後から登校できる通信制高校を探す

通信制高校の中には、1時間目の授業が午後から始まる「午後登校型」、いつ登校してもよい「自由登校型」といった登校スタイルの学校が多くあります。これは全日制高校にはない特徴の一つ。遅めの授業開始であれば、朝や午前中の体調不良があってもゆとりをもって高校生活を送ることができますし、もちろん3年間で高校を卒業することが可能です。

起立性調節障害であっても「今の生活スタイルに合った」高校を選択することで、安心して学ぶことができるのです。

そのためには早めに情報収集をし、「午後から登校が可能」な高校を探すこと。全国各地でおこなわれる合同進路相談会への参加が理想ですが、距離的・時間的な制約がある場合は、まずは通信制高校のパンフレットを取り寄せイメージをつかんでみることが大切です。