通信制高校・高等専修学校ニュース
ギフテッドと通信制高校の相性はどうか
ギフテッドといわれる、特定分野に優れた子がいます――
◎生後わずか10か月で日本語・英語でコミュニケーションが取れる。
◎小学校3年で高校・大学レベルの数学を独学で学ぶ。
◎7歳で大学施設で研究をする。
◎4歳で進化論、8歳で量子力学や相対性理論を理解する。
これは文部科学省のアンケートに寄せられた980件の事例の一部です。どれも信じられないくらいの天才ぶりですが、飛び抜けた才能の持ち主がみんなIQ(知能指数)130以上だとすると、こうした並外れた人間は人口の2%程度は存在するそうです。
早くから英才教育を施され、飛び級で大学へ進んだ子どもが主人公の映画やTVドラマを観たことはありませんか。アメリカなどでは、こうした人は「ギフテッド」gifted と呼ばれます。「(特異な才能を)天から授かった」という意味です。
「そんな天才の話、わたしに関係ない」などと言わずに、もう少し付き合ってください。実はあなたも「ギフテッド」かもしれないのですから。
何かに夢中なあなたも「ギフテッド」
たとえば、中学生や高校生でギターを弾く人はかなりの数になるでしょうが、一日中弾いても飽きない人、毎日練習してもまったく苦にならない人となると、その数はぐっと少なくなるはずです。さらにはプロ級の腕前に上達する人となれば、もしかすると人口の2%くらい?かもしれません。そのレベルまで達したら、もう一種の「ギフテッド」と呼んでもよいのではないでしょうか。ギターのかわりにダンスでも、マンガ・イラストでも、スケートボードでも、ゲームでも、その他なんでも同じことが言えます。
これは最初から才能がありありと感じられる人だけを指すのではありません。たとえ周囲にくらべて上達が遅くても、あきらめずに努力に努力を重ねてプロになる人、いずれ卓越した技の持ち主になる人は、いろいろな分野にいます。よく言われる通り、努力を続けられるのも才能のうちです。
そう考えると、スポーツや芸術や芸能、ゲームやネットの世界で活躍することを夢に、いま何かに一心に打ち込んでいるあなたや、これから本格的に取り組んでいこうと思うあなたは、花開く将来を待っている潜在的な「ギフテッド」です。
学校、周囲…ギフテッドには悩みも
才能には困難も伴います。最初に紹介した文部科学省のアンケートには、周囲のレベルに合わせることが苦痛だったり、同級生と話がかみ合わずに浮いてしまったりという、特異な才能のある子どもたちの学校生活での困難が生徒児童や保護者から多く寄せられました。普通の学校で普通に過ごすことが、なかなか難しいのです。
そうした困難とは別ですが、すでに将来の進路を定め目的意識がはっきりしている生徒や、大会出場や練習・レッスンが生活の中心になっている生徒は、特別視されて周囲との間に溝ができたり、同級生との意識の差が大き過ぎたりして、教室があまり居心地の良い場所ではなくなる心配はないでしょうか。みんなが進む全日制高校がベストな進学先か、ちょっと立ち止まって考えてみてもよいかもしれません。
才能が開花するなら学歴は要らない、という意見もあるでしょうが、それは幸いにも才能の開花が進学よりも先に来た場合のことです。
適した学びの場として通信制を選択する
アメリカ、デンマーク、フィンランド、韓国、シンガポールなど諸外国には、天才異才を持つ児童生徒のための教育制度があり、「ギフテッド」を大切に伸ばすプログラムが用意されています。近年、日本でも特異な才能のある小中高生を支援するための環境づくりが議論されています。
こうした天才や異才という本来の「ギフテッド」とは違いますが、先に述べたように、高い目標に向けて努力を続けるあなたも一種の「ギフテッド」です。その才能に、これから伸びる可能性に、適した学びの環境をぜひ真剣に探してください。そのためには、全日制高校に限らず、通信制高校も選択肢に含めて、進学先を幅広く検討することをおすすめします。
たとえば、通信制高校や高等専修学校のなかには、カリキュラムや部活動のかたちでサッカーなどのスポーツ、ゲームや美容などが学べる学校があります。ぜひ本サイトで検索してみてください。
自分の取り組む活動が、そうした学校のカリキュラムや部活動とは関係ない場合、「自由に使える時間をたくさん確保できるのはどんな学校か」「活動に思い切りエネルギーを注ぎやすいのはどんな学び方か」といった観点から進学先を考えてみてはいかがでしょうか。