通信制高校・高等専修学校ニュース

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文化・芸能の道で生きたい人の進学先

特色ある科目、ユニークな授業 通信制・高等専修学校の強み

文化・芸能の分野の著名人で通信制高校の出身者を新聞社のサイトなど信頼のおける情報源に絞って検索してみると、以下のような例が見つかりました。情報源を広げると、もっと多くの例が拾えるはずです。

通信制出身のタレントなど

マイク

◎タレントでプロゲーマー、現在大学生の大友美有さんは、全日制高校へ進学しましたが、もっとゲームに時間を費やしたいと思い、通信制高校へ転入。全国高校eスポーツ選手権で連覇を遂げる大活躍を見せました。

◎ドラマやバラエティーへの出演で人気のタレント・女優、岡田結実さんも通信制出身。当初は全日制高校に在籍でしたが、仕事と学校の両立が難しくなり、2年進級時に同じ高校の通信制課程へコース変更しました。

◎1990年代にテレビ・映画で活躍した女優で、その後は情報番組などの司会、また脚本家としても知られる中江有里さんは、高校を4つも変えたといいます。最初は地元大阪の女子校、次いで本格的に女優の仕事をするため東京の定時制高校、さらに午前部のある定時制に移ったものの、仕事との両立が難しくなり自主退学。その後、通信制高校で2年学び、20歳で卒業しました。

◎囲碁のプロ棋士、加藤千笑二段は、2018年に女流棋士採用試験で11戦全勝、プロ試験8回目の挑戦で念願をかなえました。この時、通信制高校の1年生。骨形成不全症という難病で車イス生活を送りながら、幼稚園児の頃に始めたという囲碁の道を着実に歩み続けています。

◎将棋に関心のない人でも、きっとこの方はご存じのはず。羽生善治九段です。中学3年でプロ棋士になった羽生さんですが、高校生活との両立は困難でした。なにせ勝てば勝つほど対局が増え、ますます学校へ通いにくくなるからです。なんとか学校の試験は乗り切っても、出席日数の不足はいかんともしがたく、結局、全日制から通信制へ転入して高校を卒業することができました。

はたして学歴は無用かどうか

囲碁や将棋をはじめとする実力勝負の世界には、むかしから「学歴無用論」があります。最後に挙げた羽生善治九段も、「せめて高校ぐらいは卒業してほしい」という家族の意見に従っての進学だったそうです。これに関して言えば、最近では将棋の藤井聡太九段が全日制高校の卒業を前に退学したことが話題になりました。

プロを目指すうえで高校進学が必要か、かえって足手まといになるのではないか――そんなふうに迷うのは、スポーツ分野の生徒ばかりではありません。文化・芸能の道で生きていこうという生徒にとっても、レッスンや研究以外にさかれる時間は、本当にもったいなく思うもの。高校へ行かずに済むのであれば、そうしたいというのが大方の本音かもしれません。

しかし、どんなジャンルであれ、好きな文化・芸能だけで生きていけるのは、数多くの志望者のうちの少数であることは、みなさんもお分かりのはずです。ついにあきらめて別の道を探る人もいるでしょう。芽が出るまで、ずいぶんと長い下積みを経験しなければならない人もいるでしょう。また、夢がかなって好きな道で生きていけたにしても、キャリアの途中で試練にぶつかったり、一層の飛躍が求められたり、けっして平坦な道のりばかりではありません。

通信制なら、学業と両立させやすい

そんな時に「あってよかった」と思うのが、高校卒業の資格ではないでしょうか。将来、専門学校や大学へ進みたくなった時はもちろん、アルバイトや就職においても、高校を卒業しておけば、卒業していない場合と比べて、物事がずっとスムーズに運びます。高校で学んだ事柄や、学んだ経験そのものが、文化・芸能の道を行くうえで大いにプラスになることもあります。上に紹介した中江有里さんは35歳で大学へ進学した時、「やはり高校は卒業しておいてよかった」と実感したそうです。

多くの私立通信制高校はインターネットを活用した学習支援を提供しているので、文化・芸能への取り組みを最優先する生徒にとって、より勉強しやすく、より学業を続けやすい進学先になっています。ある通信制高校を取材したとき、在籍する複数の生徒が、遠くヨーロッパのバレエ学校で日々研鑽を積んでいる、という話を聞きました。

文化・芸能の道にまっすぐ進みたい人には、高校は面倒なだけのように見えるかもしれませんが、通信制高校であれば、その考えが変わると思います。この記事で紹介した例でいえば、加藤千笑二段を除いて、みんな全日制あるいは定時制から通信制へ、途中で課程を変えています。最初から通信制であれば、おそらく、自分の道と学業をもっと両立させやすかったのではないでしょうか。

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