通信制高校・高等専修学校ニュース

通信制高校の校則

新しい学校選びの基準 ニュースクからのアドバイス

「新しい学校選びフェア」総合相談デスクから

これといった理由がなく、なんとなく学校へ行かなくなってしまったという中学2年生の女子。母親と一緒に参加した「新しい学校選びフェア」で総合相談デスクを利用してくれました。

自分で受け答えがしっかりできる女子のようでしたが、通信制高校について多く質問をしたのは母親の方。でも、そろそろ相談も終わろうかという時に、この女子が「あの、校則は……」と尋ねたのでした。

これはまったくこちらの推測ですが、もしかしたら彼女の現在の不登校の要因には、校則や学校の決まり事に対する反発、もしくは嫌悪があるのかもしれないと感じました。 今までこのシリーズ記事ではほとんど触れてこなかった通信制高校の校則について少し書いてみます。関心の的は服装・頭髪・アクセサリー・化粧でしょうから、以下、校則というのは、これらについての規定だと思って読み進めてください。

自由、ゆるやかな通信制高校の校則

私服で授業を受ける通信制高校生

まず、大まかに言えば、通信制高校(サポート校)の校則は、全日制高校とくらべて自由度が高い、規則がゆるやかだと考えてよいと思います。いわゆる「ブラック校則」とは対極にあるとも言えるでしょう。

とりわけ私立の通信制高校の通学コースは、さまざまな理由で中学校や全日制高校へ通うのが困難だった生徒に学習の機会を提供し、卒業に向けて支援するのが大きな役割ですから、そうした生徒が通いやすい環境をつくる必要があります。できるだけ規則を少なくするのも、その一環です。

したがって、一般に私立の通信制高校(サポート校)では、校則は、ゆるやかです。校則らしい校則を定めていない学校もありますし、生徒同士が話し合って最低限のルールを決める学校も存在します。通信制高校には、理不尽だったり、度が過ぎたりするブラック校則は無い、と考えて差し支えありません。

学校・コースごとにかなり異なる

かつての通信制高校はもっぱら在宅での自習が中心で、生徒の多くが、すでに成人、社会人ということもあり、服装や頭髪などについて規定する必要はありませんでした。

ところが、おもに私立の通信制高校で現在のように16歳~18歳の生徒が主流を占めるようになり、通学型を選択する生徒が多くなると、学ぶ環境は全日制高校とあまり変わりません。そこで、教育的観点から服装や頭髪などの規定を設ける必要も生じてきたわけです。

ただ、通信制高校の校則については、それぞれの学校の教育観の違いがあり、学校ごとの差が大きいため、どれか一つを代表例に挙げることは難しいのです。制服無し、頭髪もまったく自由という学校もあれば、通学コースについては一般的な全日制高校に近い校則の通信制高校も中にはあります。

同じ通信制高校でも多彩な学びのコースを設置している場合、選択するコースによっては規則の適用が異なることもあるでしよう。たとえばメイクやネイルアートなどの美容系コースや、ダンスや音楽などの芸能系コースなどは、服装や頭髪、化粧が、学んでいる内容と大きく関係しています。そんな場合は、校則で定めた規定の例外となるか、コース独自の規定があるか、あるいは何かしらの許容範囲が設定されているか、いずれかに当てはまるはずです。 ただ、一般的に美容系や芸能系の通信制高校(サポート校)はそもそもこれらの規定が「ゆるい」または「ない」場合も多いです。

服装や頭髪の自由にも一定の制約

かなり自由な校則であっても、一定の制約があることもあります。ふだんは服装も頭髪も自由にしていいけれども、制服(またはそれに準ずる服装)着用で、頭髪もきれいにまとめることが求められる場面があります。これも学校によって異なりますが、以下のような例が挙げられます。

  • 入学式や卒業式など節目となる学校行事。
  • 修学旅行、校外実習やインターンシップ体験など、学校外の場で活動する機会。
  • 講師を招いての講演会など外部からの来訪者がある場合。
  • 大学等の入試面接や、就職活動時の採用面接。


最後に挙げた入試面接や採用面接では、服装や頭髪の規定が校則として明文化されていなくても、社会人としてふさわしい(と思われる)服装と頭髪で臨むよう、教職員からの強いアドバイスがあったりします。

個々の学校について確かめよう

そういうわけで、学校選びにおいて校則を重視する人は、学校説明会や体験入学などで、気になる点を必ず問い合わせましょう。

その際「こんな服装や頭髪、メイクで通いたい」という格好をして出かけるのもひとつの方法です。相談が具体的になり、回答もしてもらいやすいでしょう。

あるいは、その学校の生徒がどんな服装や頭髪で学校へ通っているか、ふだんの授業を見学させてもらうのもよいでしょう。

校則について学校側の考える自由と、あなたがイメージしている自由との間にギャップがあるかもしれません。入学してから「なんだか期待外れ」と残念に感じることにないようにしてください。 通信制高校のホームページを見るだけでは、校則について詳しく知ることができません。

合同進路相談会への参加が理想ですが、距離的、体力的に参加が難しい場合は、資料請求をしてパンフレットを取り寄せましょう。パンフレットには多くの在校生の写真が掲載されていますので、生徒の服装やメイクの様子など、その学校の雰囲気が感じ取れるはずです。

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※この記事は札幌・仙台・大阪にて不登校生等を対象とした合同進学相談会「新しい学校選びフェア」を企画・運営する「特定非営利活動法人高校生進学支援の会」協力のもと作成しております。

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