通信制高校・高等専修学校ニュース
通信制高校の仕組み ーそもそも単位って何ですか?ー
中学校ではほとんど聞いたことがなく、高校に入ってからしばしば耳にするようになるのが「単位」という言葉です。センチメートルでもない、キログラムでもない、この「単位」って、そもそも何でしょうか? 「このままでは単位を落としそう」とか「単位が足りなくて進級できないかも」とか、なんだか困った事態とセットになっているようで気にかかります。
勉強時間のことだった
簡単に言えば、この「単位」とは、その科目にあてる1年間の学校での勉強時間のこと。週ごとの授業時間(回数)を基準にした学習量です。週1回の授業(50分間)に1年間(登校日数として35週)出席すると、1単位の学習をしたことになります。たとえば、国語の科目で現代文Aが2単位というのは、週2回ある現代文Aの授業に1年間出席する学習を意味します。
高校卒業には74単位以上が必要です。全日制高校の場合、ちゃんと授業に出て、定期考査(中間テストや期末テスト)で基準点以上をとっていれば、問題なく単位修得となります。かぜを引いて何回か欠席しても大丈夫です(年間授業数3分の2以上など、規定の出席日数が決められています)。通信制高校の場合、授業出席に代わって数回のレポート提出と数回のスクーリングへの参加、そして定期試験の成績によって単位修得が認定されます。
高校卒業には74単位以上が必要
全日制では進級の条件
単位が、なんだか困った事態とセットになっているように感じられるのは、学年制に関わっているからです。多くの全日制高校は学年制です。これは、それぞれの学年で修得すべき単位数が定められ、すべての単位を修得しなければ次の学年に進めないしくみです。単位の修得は、1年間の成績や出席日数などをもとに認定されます。欠席が多かったり、試験の成績が基準点未満(いわゆる赤点)だったりすると、その科目の単位修得が認められません。ということは、留年です。同じ学年をやり直すことになってしまいます。
それでは大変だ、ということで、たいていの高校では、同学年の生徒がみんな揃って進級・卒業できるように、留年の恐れがある生徒のために先生方が救済策を講じるわけです。出席日数が足りない生徒には、放課後、あるいは夏休みや冬休みなどに補習授業を。赤点の生徒には講習をしたうえで再テストや再々テストを。
留年の心配がない単位制
通信制高校のほとんどが単位制です。3年の間に所定の単位をすべて修得すれば卒業できます。単位制の高校にも学年はありますが、学年ごとに修得すべき単位数は決められていません。単位修得と進級が結びついてはいませんから、成績不振や出席日数不足による留年は原則としてありません。3年間ですべての単位を修得できなかった場合は卒業時期が延びますが、そうならないよう学習面をサポートするしくみもあります。
毎日登校して、学校の授業進度についていける生徒なら、多少の困難はあっても学年制をとる全日制高校で学んでいけるでしょう。しかし、何かにつまずいて遅れを取り戻せなくなったり、心身ともに疲れて学校のことや将来のことを考えられなくなったりしたとき、立ち直りのチャンスになるのが通信制高校です。
その理由はすでに述べた通り、とりあえず進級の心配をしなくていいこと、3年間という枠のなかで勉強の計画を立てられること。通信制高校なら、まずはひと息ついて、ゆっくりと歩き出しながらこれからのことを考えられそうです。
またスポーツや芸術、芸能などに思い切り打ち込みたい人にも、単位制の高校が有利かもしれません。自分の趣味や関心に重点をおいた3年間にしたい人には、スケジュールを柔軟に立てやすい通信制高校での学びが適していそうです。
成績不振や出席日数不足による留年は原則無し!
退学や休学は待って!通信制高校へ転入・編入で高校生を続ける道
「もう高校を辞めてしまいたい」「人間関係に疲れてしまい、しばらく学校を休みたい」「留年が確実となったので、学校には通いたくない」。そんなギリギリの段階にいる高校生と保護者に、ぜひとも知ってもらいたいことがあります。
○自分にとって、いまの高校は、心を沈ませる、苦しい場所かもしれませんが、退学や休学を早まらない。
○高校と関係が切れる期間をできるだけ作らない。
○はっきり言えば、別の高校への転校を先に決める。
○やむなく退学や休学をするにしても、タイミングをよく見計らう。
その理由は? そしてタイミングとは?