通信制高校・高等専修学校ニュース

通信制高校からの大学進学

新しい学校選びの基準 ニュースクからのアドバイス

「新しい学校選びフェア」総合相談デスクから

「大学進学を考えているのですが、通信制高校のサイトにある合格実績を見くらべても、どこが自分の子に適しているのか判断できなくて……」と話すのは、高校1年生の息子さんを持つお母さん。不登校のために出席日数不足で修得単位が少なく、進級が難しい状態だそうで、すぐにも通信制高校へと移りたいという希望です。

制度上は、通信制の生徒も全日制の生徒と変わりなく大学進学できることは、以前にこのシリーズ記事でも述べた通りです。

大学進学を希望しつつ通信制高校へ進んだり、転入したりする生徒と親が知りたいのは、どんな通信制高校なら大学合格に向けた十分な支援を得られそうか――その観点から通信制高校を選ぶ際のポイントを挙げてみます。

進学意欲が高い生徒なら「進学コース」

通信制高校からの大学進学01

すでに志望する大学・学部がはっきりしているのなら、「進学コース」といった進学者向けのコースがある通信制高校(もしくはサポート校)を選ぶのがよいでしょう。

合格実績の中に自分の志望校があるか、同程度の難易度の大学があることが、学校選びのひとつの目安になります。とくに大学入学共通テスト(旧センター試験)や学力試験による一般選抜で受験をする人にとっては、これが標準的な選び方だと思います。

通学型の通信制高校で対面授業を受けるのが効果的でしょうが、ある程度の学力がある生徒なら、ネット中心の勉強であっても、さらに力を伸ばせると思います。ネットでの受験指導のノウハウが豊富にある通信制高校もあります。どんな受験指導が利用できるか、それは自分の勉強スタイルとどうマッチするか――学校案内資料で確かめたり、学校説明会などで質問したりしてみましょう。

実力アップには塾・予備校の利用も

「進学コース」といっても、合格が保証されるものでないことは、言うまでもありません。どの程度学力を伸ばせるかは、なにより本人の努力次第です。志望校の難易度によっては、合格を狙えるだけの実力を身につけるために、進学塾や予備校、あるいは家庭教師の力を借りる必要もあるでしょう。それは通信制だから、というわけではなく、全日制高校の生徒であっても同じです。

自分の「好き」「得意」を見極める機会に

また、ゲームコースのように特徴ある学びができるコースは、将来の進路を考える判断材料となります。その道に自分が向いているかいないか。職業としてやりたいだけの興味の強さがあるかどうか。こうしたことが高校にいるうちに確かめられます。 ゲームは好きだけれど、ゲーム制作やeスポーツを本格的に学びたいとは思わない。仕事にするほどの興味はない。そう判断すれば、早めに方向転換ができます。この判断をあいまいにして専門学校や大学に進学してから判断ミスに気づくことにくらべたら、高校のうちに確かな判断を自分で下して別な道に進むほうが得策と言えます。ゲームコースを選択した分、多少余分に費用がかかったとしても、その値はあるのではないでしょうか。

はじめは進学希望ではなくても

不登校などのために中学校での学習が不十分だった生徒でも、通信制高校で基礎学力を補ううちに勉強が面白くなり、大学進学の意欲が湧いてくる例も少なくありません。また、そのような指導をしている通信制高校も多いはずです。 低い学力からスタートする生徒でも勉強を重ねれば、学力試験を受ける一般選抜での大学合格も、けっして不可能ではありません。しかし、他にも受験の選択肢がいくつかあると安心です。たとえば、学校推薦型選抜があります。

通信制は学校推薦型に適している

学校推薦型選抜は、大学が定める条件を満たし、高校が推薦した出願者を、学力試験ではなく、小論文や面接などで合否判定するというもの。出願にあたっては、スポーツ大会での成績、英語検定のスコア、簿記やITの資格などを条件としたり、生徒会やボランティアなどの課外活動の実績を重視したりする大学もあります。

全日制にくらべて時間にゆとりのある通信制の生徒は、スポーツや資格検定のための勉強に、より多くの力を注げます。また、ボランティア活動に取り組みやすくもあります。つまり、通信制高校は学校推薦型選抜に比較的適した学びのスタイルと言えます。

指定校推薦の対象である通信制高校も

学校推薦型選抜のひとつに指定校推薦があります。これは、大学が高校に3名くらいまでの入学枠を与え、高校から優秀な生徒を入学者として推薦してもらうというものです。推薦されれば特別な事情がない限り、合格できます。この指定校になっている通信制高校もあります。

もちろん、普通は「行きたい」大学が先にあっての進学でしょうが、指定校推薦のように「行ける」大学や「行きやすい」大学の存在を知って進学の意欲が湧く、というのもありだと思います。通信制高校の学校選びでは、この方面からも検討してみてはいかがでしょうか。

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※この記事は札幌・仙台・大阪にて不登校生等を対象とした合同進学相談会「新しい学校選びフェア」を企画・運営する「特定非営利活動法人高校生進学支援の会」協力のもと作成しております。

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