通信制高校・高等専修学校ニュース

通信制高校合同相談会の歩き方|効果的な情報収集の方法
かつて高校といえば全日制高校への進学が中心でした。
しかし、今では通信制高校やサポート校など、多くの選択肢があります。
不登校経験のあるお子さんや、アルバイトや趣味の都合に合わせて自分のペースで学びたいと考えるお子さんなど、様々な理由で通信制高校を選ぶ人が増えています。
進路選択に悩む中学生の親子にとって「お子さん本人に合った学校をどのように探すか」は大きな課題です。インターネットやSNSだけの情報では十分ではなく、実際に学校の雰囲気を感じ、担当者に直接質問したいというニーズが高まっています。
こうした背景で注目されているのが「通信制高校合同相談会」です。
この記事では、通信制高校合同相談会を最大限に活用し、納得のいく進路選択を実現するための方法について解説します。
通信制高校合同相談会とは
通信制高校合同相談会とは、複数の通信制高校やサポート校、高等専修学校などが一堂に会し、1つの会場でまとめて説明を受けられるイベントです。
この章では、合同相談会の特徴や「新しい学校選びフェア」で提供されるプログラムについて解説します。
合同相談会の特徴
合同相談会とは、複数の通信制高校やサポート校、高等専修学校などが一堂に会し、ひとつの会場で複数の学校の説明を聞いたり資料を一度に入手できたりするイベントです。学校選びや通信制高校の仕組み以外にも、学費や入試相談などが無料で個別に行えます。
基本的な特徴としては、入場料が無料で、入退場も自由というスタイルが一般的です。わかりにくい通信制高校の仕組みを職員による説明でスッキリさせながら、参加数十校と個別相談できる、人気のイベントです。
例えば、ニュースクの合同相談会「新しい学校選びフェア」は、首都圏以外にも北海道や沖縄、関西など全国各地で実施しています。
また、首都圏の「新しい学校選びフェア」の参加予定校は以下の通りです。
- クラーク記念国際高等学校
- 飛鳥未来高等学校
- N高等学校
- ベネッセ高等学校
この他にも40校以上の学校が参加予定です。通信制高校への進学を検討している人は、ぜひ参加しましょう。
「新しい学校選びフェア」で提供される主なプログラム
「新しい学校選びフェア」では、複数のプログラムが同時開催されています。
まず、「新しい学校選び講座」では、基本的な仕組みや学費の目安、相談する学校の選び方について講演会形式で説明しています。
学校選びがはじめての人はまず「新しい学校選び講座」への参加がおすすめです。なお、同時に開催される「学校紹介ライブ」では、出展校による学校紹介が行われます。
「進路説明会」では、各学校の入試担当者や教員が、参加者に直接学校の説明をします。個別に相談できる「進路説明会」は、自分に合った学校を探すための貴重な機会です。
「新しい学校選びフェア」での一番のおすすめは「授業体験」です。模擬授業などを会場で体験できるため、その学校の雰囲気や入学後のイメージがしやすくなります。
合同相談会のメリット
合同相談会に参加すると、個別に学校を調べるよりも効率的かつ実践的な情報収集ができます。
ここでは具体的なメリットを紹介します。
通信制高校の基本がわかる
合同相談会では、通信制高校の学習の仕組みから解説してくれます。そのため、通信制高校について調べたばかりの人でも安心です。
また、個別相談会では、学費や勉強についての悩みも直接相談できるため、入学後のイメージがしやすくなります。
合同相談会は、インターネットやパンフレットの情報では分からなかった学校の特色を一度に比較する絶好の場です。
開催地域の周辺の学校が参加している
合同相談会には、開催地域の周辺の学校が参加しています。そのため、自宅からの距離や交通手段などの相談も可能です。
通信制高校は、不登校生徒の増加や「自分のペースで学びたい」「やりたいことに時間を使いたい」といったニーズの高まりにより、全国各地に数多く新設されています。
その中から自分が通える学校を探すのはとても大変です。合同相談会に参加し、自分の地域の学校をピックアップしましょう。
合同相談会でよくある失敗と注意点
合同相談会は効率的な情報収集の場です。ただし、準備や行動次第では十分に活用できない場合もあります。
ここでは、実際によくある失敗とその回避方法を具体的に解説します。
情報を集めすぎて整理できなくなる
合同相談会では短時間で多くの学校を回れるため「せっかくだから全部見よう」と考えてしまいがちです。
しかし、10校以上の説明を聞いて大量のパンフレットを持ち帰っても、情報が混在してしまい比較が困難になります。実際に「どの学校がどんな特徴だったか思い出せない」「全部同じに見える」といった参加者も少なくありません。
こうした事態を防ぐには、事前に自分が優先したい評価軸を決め、訪問校を5〜6校程度に絞りましょう。また、各校ごとに「よかった点・懸念点」をその場でメモしておけば、帰宅後の比較精度が大きく向上します。
その場の印象だけで判断してしまう
相談会では、担当者の対応やブースの雰囲気によって学校の印象が大きく左右されます。
例えば「担当者の説明が丁寧で安心できた」「対応が親切だった」といった理由だけで好印象を持つケースは少なくありません。
しかし、これはあくまで短時間の接点であり、実際の学校生活やサポート体制を正確に反映しているとは限りません。
過去には「説明会では良さそうに見えたが、入学後にサポートのギャップを感じた」というケースもあります。こうした判断ミスを防ぐには、必ず一度持ち帰って複数校を比較し、最終的にはオープンキャンパスや個別見学で現場を確認してください。
子どもの意思より保護者の判断を優先してしまう
進路選択において、本人の意思を軽視するとミスマッチにつながるリスクが高まります。
進路選択では、保護者が「進学実績が高い」「サポートが手厚い」といった理由で学校を選びたくなるかもしれません。
しかし、通信制高校はお子さんの主体性や心理的な安心感を無視しまったために「親が決めた学校に通い続けられなかった」というケースも存在します。
合同相談会では、保護者が主導するのではなく、お子さん自身の感想や違和感を丁寧に引き出しましょう。「どの学校が安心できそうか」「通いたいと思えたか」といった観点で対話をくり返し、最終判断は本人の納得感を重視する必要があります。
質問を準備せずに参加してしまう
事前に質問を用意せずに参加すると、説明を受けるだけで終わってしまい、各校の違いが見えにくくなります。
その結果、どこもよさそうで決められないという状態に陥りやすくなります。例えば、ある家庭では質問を準備せずに複数校を回った結果、判断基準が曖昧なまま比較ができず、再度別日に情報収集をやり直すことになりました。
こうした無駄を防ぐには、通学頻度や課題の難易度、不登校経験者への支援内容など、共通の質問を事前にリスト化しておくと安心です。
合同相談会を有意義なものにするための事前準備

合同相談会は「準備の質」で成果が大きく変わります。事前に準備のポイントを押さえ、情報収集の効率を上げましょう。
多くの情報を正確に理解するための準備
通信制高校は毎年新しい学校が増えており、学校ごとの特徴も様々です。そのため、必要な情報をひとつずつ自力で集めるには相当な体力と気力が必要です。合同相談会に参加すれば、1日で全て完了できます。
しかし、ただ会場に行くだけでは意味がありません。合同相談会に参加する前に「お子さんが通信制高校に何を求めているか」という評価軸を明確にしておきましょう。例えば以下のような評価軸が考えられます。
- 学習スタイルの希望: オンライン中心で自宅学習を主とするのか。週3日〜5日の通学を希望するのか。
- 専門分野の希望: ITやデザイン、美容、音楽、スポーツ、大学進学特化など、特定のスキルを学びたいのか。中学校までの学習内容をしっかり学び直したいのか。
- サポート体制への期待: 専門家による心理カウンセリングや学習の遅れの補填、発達特性への理解など、どのようなサポートが必要か。
- 地理的条件: スクーリング(面接指導)の会場までの通学距離や、自宅からのアクセス。
なお、通信制高校には様々なタイプがあります。
- 進学に力を入れている学校
- 自由登校型の学校
- 専門分野に特化した学校
自分がどのタイプの学校に興味があるのかを事前に整理してから参加し、効率よく比較検討しましょう。
合同相談会当日の持ち物
当日は、複数の学校からパンフレットを受け取ります。そのため、A4サイズの資料を収納できる大きめのバッグを持参しましょう。
また、メモを取るための筆記用具やスマートフォンなども準備もしておくとよいでしょう。
なお、服装について不安を感じる人も多いかもしれません。
しかし、合同相談会は、担当者との対話と情報収集の場であるため、多くの相談会では私服での参加が一般的です。
合同相談会当日の歩き方
当日は限られた時間で効率よく情報を集めなければいけません。
ここでは具体的な行動手順や個別ブースを回る際のポイントを解説します。
はじめは会場全体を見渡してみる
入場後は、特定のブースに直行するのではなく、会場全体を見渡してみましょう。資料配布コーナーで気になる学校のパンフレットを数校ピックアップし、その学校の雰囲気を感じ取ります。
主要な通信制高校やサポート校などが一堂に会する合同相談会において、パンフレットは各校の特徴を一度に知る貴重な資料です。
なお、パンフレットをもらいすぎると、結局読まずに終わってしまうかもしれません。パンフレットをもらう際には必ずメモをつけましょう。
- もらった名刺に話した内容をメモする
- パンフレットの表紙に学校の印象を書いておく
- 気になった学校のランキングを作成する
また、どの学校から話を聞けばよいか迷った場合は、ためらわずにスタッフに声をかけましょう。会場内のサポートスタッフが、お子さんの状態を伺いながら学校選びを一緒に検討してくれます。
個別相談ブースで質問する際のポイント
個別相談ブースでの相談は、一方的に説明を聞く時間ではなく、自分たちの学校との相性を確認するプロセスです。
まず、学校の全体像を把握しましょう。例えば、「通信制高校について検討を始めたばかりなので、こちらの学校の大きな特徴を教えていただけますか?」というように、学校側が最も自信を持っているポイントを引き出す質問をしてみましょう。
学校の全体像がつかめたら、日常生活について質問してください。「実際の在校生は何時頃に来て、どのように過ごしていますか?」といった質問は、パンフレットなどからは見えない、学校の実際の雰囲気をイメージできます。
最後に、 「勉強にブランクがあるのですが、レポート課題についていけますか?」「スクーリングでの宿泊が不安です。」といった、自分たちの具体的な悩みを率直に伝えましょう。学校側の現実的なサポート体制がわかります。
なお、同じ質問を複数の学校にすると、後から比較検討する際にも便利です。
担当者の「聴く力」を観察する
個別相談の中で最も重要なのが、担当者の反応です。
学校の実績を一方的に誇示するだけではなく、参加者の話をどれだけ丁寧に聴いているかを観察してください。
通信制高校において最も大切なのは、生徒一人ひとりの異なるフェーズに合わせた柔軟な対応力です。マニュアル通りの回答しか返ってこない場合、入学後の個別サポートも限定的かもしれません。
また、ブースに在校生や卒業生がいる場合は、ぜひ話を聞いてみましょう。パンフレットからはわからない生徒のリアルな姿に触れられます。
合同相談会後にやるべき比較検討

合同相談会はゴールではなくスタートです。参加後の行動が進路選択の質を左右します。合同相談会をその場限りで終わらせず、有意義なものにするために、必ず会場で得た情報を整理しましょう。
相談会直後の「熱量」を判断材料に変える
相談会が終わった直後は、興奮や期待感を感じているうちに、情報を比較検討しましょう。
帰宅してすぐに、受け取ったパンフレットを整理し、比較表を作成することをおすすめします。この表には、以下の項目を含めましょう。
- 直感的な相性: 先生や生徒の雰囲気が自分たちに合っていたか
- 物理的条件: 通学距離、学費、スクーリングの頻度
- 教育内容: 学びたい専門分野の充実度、学習サポートの厚さ
この際、生徒本人の感想を最優先に尊重することが不可欠です。保護者が「ここは進学実績がよいから」と押し付けても、お子さん自身がその環境で安心感を得られなければ、継続的な通学はできません。
比較表を作成したら、その日のうちに、印象に残った学校を3〜4校ピックアップしましょう。
その上で、翌日に比較表やピックアップした学校の情報を見返してください。説明を受けた直後はどの学校もよく見えてしまいがちなため、情報を寝かせて冷静な判断も必要です。
各学校の個別相談会やオープンキャンパスに参加する
合同相談会で得られた情報は、あくまで「入口」です。ピックアップした学校の実際の個別見学会やオープンキャンパスには必ず参加しましょう。
短時間での説明だけでは分からない詳しい説明を学校見学や個別相談会・オープンキャンパスで聞いて、自分にあった学校を探してください。
直接学校へ行き、学校までのアクセスや教室の広さ、生徒の様子などを確認し、ミスマッチを未然に防ぎましょう。
合同相談会参加者の感想
実際に「新しい学校選びフェア」に参加した保護者や生徒からの感想を紹介します。
(https://new-schoooool.jp/fair/より一部抜粋)
- 高校選びの基準がよく分からなかったけど、学校ごとの特徴を丁寧に説明してもらえて、自分に合いそうな学校が見つかりました。
- 成績だけでなく、子どもの性格や興味に合わせた進路の方向性をアドバイスしていただき、とても参考になりました。
また、これまで「通信制高校は不登校経験者の選択肢」というイメージを持っていた家庭でも、進学実績の高い学校や専門分野に強い学校の存在を知り、前向きに進路を検討できるようになったケースもあります。
合同相談会は単なる情報収集の場ではなく、進路に対する不安を整理し「選べる」という実感を得る機会として機能しています。
まとめ|自分たちに合った学校を見つけるために
この記事では、通信制高校合同相談会を最大限に活用し、納得のいく進路選択を実現するための方法について解説しました。
通信制高校合同相談会は、複数の選択肢を一度に比較できる貴重な機会です。しかし、その効果は、参加前の準備や当日の歩き方、参加後のアクションにかかっています。
進路選択において、完璧な学校を探すよりも、今の自分たちをありのまま受け入れ、未来への可能性が感じられる学校を見つけなければいけません。
合同相談会で得られた情報を吟味し、実際のキャンパスに足を運び「ここなら自分らしくいられる」と思える学校を探しましょう。