通信制高校・高等専修学校ニュース

今から始める通信制高校とサポート校選び|高校卒業を確実なものにするためにサポート校の役割とは?
中学3年生への進級を前にして、そろそろ高校進学について考え始める人も多くいるでしょう。
高校の多様化が進んでいる近年では、通信制高校やサポート校への通学を選択する生徒も増えてきました。しかし、「通信制高校だけじゃダメなの?」「サポート校って本当に必要?」などと不安に感じる保護者の方も少なくありません。
この記事では、通信制高校とサポート校の違いを整理したうえで、サポート校の必要性や入学時の注意点、学費などを解説します。
通信制高校とは

通信制高校は、全日制高校や定時制高校と同じく、文部科学省が認可する「高等学校」です。卒業すれば、全日制高校と同じ「高等学校卒業資格」を取得できます。
通信制高校の学習は、主に次の3つの要素で構成されています。
- ①レポート(添削指導)
- ②スクーリング(面接指導)
- ③テスト(試験)
通信制高校の最大のメリットは、通学負担の少なさと自分のペースで学べる柔軟性です。
毎日決まった時間に学校へ通う必要がないため、体調が不安定なお子さんやアルバイトや習い事と両立したいお子さんにとっては最適です。
また、人間関係のストレスを感じやすいお子さんや集団生活が苦手なお子さんでも無理なく高校卒業資格が取得できます。
一方、通信制高校では自分でスケジュールを組み、計画的にレポートを進めなければなりません。また、質問できる機会の少なさも課題です。自宅学習が中心のため、わからないことがあってもすぐに先生に聞けません。疑問を抱えたまま進んでしまい、理解が浅いまま単位だけを取得してしまうケースもあります。
このような通信制高校のデメリットを補うために、多くの生徒・保護者が注目しているのが「サポート校」です。
サポート校とは
サポート校とは、通信制高校に通う生徒の支援のために設けられた教育施設です。ここでは、通信制高校との違いやサポート校が必要とされる理由、役割などを解説します。
サポート校の定義と特徴
サポート校とは、通信制高校に在籍する生徒の学習や生活をサポートする民間の教育施設です。正式名称は「学習等支援施設」です。サポート校は、1990年頃に私立の広域通信制高校が設立されたのをきっかけに登場しました。
なお、サポート校は、民間の補助教育機関であり、民間の学習塾や学校法人が運営している場合が大半です。そのため、学校教育法では「高等学校」と認可されていません。そのため、サポート校だけでは高校卒業資格は取得できません。サポート校の入学には、連携している通信制高校への入学が必要です。
サポート校の役割
サポート校の主な役割は、通信制高校の生徒が、3年間で確実に高校卒業資格を取得できるよう、学習指導や生活・メンタル面での支援です。
多くのサポート校では、通信制高校のレポート作成を授業の一環として実施しています。レポート作成は、通信制高校卒業において必須です。そのため、レポート作成の補習時間などを設けているサポート校もあります。
また、近年では、専門的な学びや支援が受けられるサポート校も増えてきました。たとえば、塾が運営しているサポート校では、進学指導に注力しているケースが多くあります。また、専門学校が運営しているサポート校では、専門学校の技術や機材を使い、プロからの指導を受けられます。IT・ゲームや映像、美容・ファッションなど、さまざまな分野の学習が可能です。
専門分野は、多様なカリキュラムから興味・関心に合わせて選択できるため、就職や進路決定のヒントになります。
さらに、カウンセリングなどの支援体制が手厚いサポート校もあります。不登校経験のあるお子さんが安心して高校生活を送るためには、人間関係などの悩みを気軽に相談できる環境は必須です。
サポート校のメリット
通信制高校に入学しても、卒業までに想定以上に時間がかかり挫折してしまう生徒も少なくありません。ここでは、サポート校を利用するメリットを紹介します。
学習サポートが受けられる
学習において丁寧な指導を受けられるのは大きなメリットです。
通信制高校では、生徒自身が主体的に学習を進めなければいけません。サポート校では、誰もが確実にレポートを作成するための指導や添削などのサポートが充実しています。
サポート校が提供するサポートはレポート指導だけではありません。基礎学習から学び直すカリキュラムを組んでいるスクールが多く、学習の遅れが心配なお子さんでも安心して学習ができます。通信制高校を3年間でするため、教員やカウンセラーが一人ひとりの目標や学習状況に合わせて伴走してくれます。
メンタル面でのサポートが受けられる
サポート校は、メンタル面のサポートが充実しています。スクールカウンセラーなどの専門家が常駐し、不登校や人間関係の悩みを相談できる環境が整っています。
また、サポート校は通学制であるケースが一般的です。ただし、生徒の希望にあわせて登校日が調整できるスクールが多くあります。さまざまな事情を抱えているお子さんでも、無理なく活用できるでしょう。
さらに、中央高等学院のように、保護者もカウンセリングを受けられるスクールもあります。お子さんの様子をスタッフと共有しながら、一緒に成長を見守れます。
大学進学のサポートが充実している
塾が運営しているサポート校では、小論文指導や面接対策、模擬試験の実施など、進学に特化したサポートを提供しています。
また、進路選択に迷っている生徒には、将来の職業について考えるキャリア教育プログラムを用意しているスクールもあります。「自分が何をしたいのかわからない」という悩みに寄り添い、一緒に答えを探す姿勢が、サポート校の強みです。
たとえば、トライ式高等学院の「特進科」では、豊富な受験ノウハウを活かし、難関大学から専門学校まで志望校合格をサポートしています。
また、2026年4月に新設される明光義塾高等学院では、不登校経験があるお子さんでも大学や専門学校への進学を目指せます。「バランスコース」なら教科学習以外にも、総合型選抜の対策も可能です。
サポート校に入学する際の注意点

サポート校は、きめ細やかな指導で高卒資格取得を助けてくれる存在です。しかし、デメリットや注意点も存在します。
お子さんに合った学校を選ぶために、事前に押さえておくべき点を解説します。
サポート校は「高等学校」ではない
サポート校は学校教育法で認められた「高等学校」ではありません。そのため、サポート校に通うだけでは高校卒業資格は得られません。必ず、提携している通信制高校に学籍を置きましょう。
たとえば、KG高等学院に通う場合は、提携している鹿島学園高等学校などへの入学が必須です。KG高等学院では、年に2回の三者面談や大学のオープンキャンパスの案内、面接練習の個別指導など、全日制高校と同様のサポートを受けながら高校卒業を目指せます。
サポート校への授業料が発生する
サポート校の学費は、通信制高校の学費とは別にかかります。
サポート校の学費はスクールや登校日数などによって大きく異なり、登校日数が多いほど費用も高額になります。
しかし、サポート校は、確実に3年で卒業できるサポートを受けるための安心材料と考えられます。
なお、通信制高校に籍を置きサポート校に通うといっても、2倍の学費がかかるわけではありません。また、塾や予備校が運営しているサポート校の場合は、塾や予備校の費用はかかりません。そのため、全日制高校と予備校に通うよりも、サポート校に通う方がはるかに安く収まる、といったこともあります。
通信制高校とサポート校の学費相場
通信制高校とサポート校の両方に通学する場合の学費相場は、年間で少なくとも75万円以上必要です。もちろん、選ぶ学校によって費用は大きく変わります。
ここでは、私立通信制高校とサポート校の学費相場について解説します。
私立通信制高校の学費相場
私立通信制高校の1年間の学費の目安は20万円〜100万円程度になるでしょう。
内訳は以下の通りです。
| 項目 | 費用の目安 |
| 入学金 | 10,000円~50,000円程度 |
| 授業料 | 1単位7,000円~12,000円程度 年間26単位履修の場合:180,000〜300,000円程度 |
| 教材費・教育関連費 | 10,000~60,000円程度 |
| 施設設備費 | 10,000~60,000円程度 |
入学金は初年度のみ発生します。なお、単位制を導入している学校では、1単位あたりで学費を設定しています。1年間で24〜26単位を修得する学校が大半です。
また、専門的なコースに在籍する場合は、別途受講料や実習費が発生します。
サポート校の学費
サポート校に通学する場合は、年間50万円〜100万円ほどの利用費が追加で発生します。
内訳は以下の通りです。
| 項目 | 費用の内訳 |
| 入学金 | 50,000円~200,000円程度 |
| 授業料 | 350,000円~800,000円程度 |
| 施設設備費 | 500,000円~150,000円程度 |
通信制高校と同様に、登校日数が多いほどサポートが手厚くなり費用も高くなります。また、専門コースに在籍する場合は、受講料や実習費が追加で発生します。
通信制高校やサポート校の学費を抑える方法
高校生の学費負担を軽減するために、国が「高等学校等就学支援金制度」を設けています。
高等学校等就学支援金制度とは、国公私立問わず、授業料の全額または一部を国が支給する制度です。卒業後に返還する必要はありません。
対象となる家庭は以下の通りです。
- 日本国内に住所がある
- 高等学校、高等専門学校(1〜3年)、専修学校(高等課程)等の学校に通っている
無償化の対象は文科省の認可を受けた「高等学校」であるため、通信制高校も対象です。ただし、サポート校は対象外です。
また、就学支援金には、支給期間や支給額、対象となる単位数が決まっています。
- 支給対象単位数の上限:74単位
- 年間の支給対象単位数:30単位
- 支給期間の上限:48ヶ月(全日制高校の場合は36ヶ月)
- 一単位あたりの支給額は4,812円
なお、2026年度からは所得制限が完全に撤廃されることが決定しました。これにより、今まで支援を受けられなかった世帯年収が約910万円以上の家庭も、就学支援金の対象となります。
就学支援金を利用し、費用を抑えながらお子さんに必要なサポートを受けましょう。
通信制高校とサポート校の入学条件
通信制高校もサポート校も、中学校を卒業(または卒業見込み)した15歳以上の人であれば入学が可能です。
また、通信制高校もサポート校も、入学試験は書類選考や面接、作文のみの実施が一般的です。過去の成績で合否を判断していないため、学習に不安があるお子さんでも不合格にはなることはほとんどありません。学力の高さよりも学習意欲や前向きな姿勢を見せる方が重要です。
面接では、受験生の人柄を確認するために、以下のような質問をされます。
- 志望動機
- 将来の夢・希望進路
- 中学校生活について
- 高校生活でがんばりたいこと
志望動機や高校生活でがんばりたいことなどは、作文のテーマにもなる可能性があります。面接と作文で一貫した回答を準備しましょう。
中3になる前にやっておきたいこと

中3になる前の春休みには、生活リズムを整えたり、情報収集をしておく絶好の機会です。ここでは、中3になってあわてないよう、今のうちにやっておくべき準備を紹介します。
生活リズムの改善
通信制高校は自宅学習が中心です。毎日登校する必要もないため、生活リズムが崩れやすくなります。今のうちに朝起きる習慣をつけられると安心です。
また、面接や作文を通して、レポートの提出期限を守れるか、スクーリングにしっかりと参加できるかなどが判断されます。毎日少しでも机に向かう習慣をつけておくと、入学後の単位取得に役立ちます。なお、一度に長時間学習する必要はありません。
資料請求・説明会への参加
中2の今だからこそ、時間をかけて複数の学校を比較検討しましょう。
まずは、パンフレットやインターネットなどで、気になった学校についてしっかりと調べましょう。XやInstagramなどのSNSで生徒の様子をリアルタイムで発信している学校もあります。
「ニュースク」で気になる学校をしぼり込むのがおすすめです。やりたいことや特色、登校スタイルなどの希望を選択し、あなたの希望に合った学校を探せます。
また、説明会や個別相談には必ず参加しましょう。事前に質問したいことをリストアップしておくと、聞き漏らしを防げます。
- 登校日数はどれくらいか
- レポート提出のサポートはあるか
- 進路指導の実績
- 学費の詳細
同じ質問を複数の学校でしてみると、学校ごとの違いがより明確になります。
校内の雰囲気や在校生の表情、先生と生徒の関係性などを自分の目で確認するのも大切です。
家族で進路の価値観を共有
進路選びは、お子さん本人だけでなく、家族全体で考えましょう。どんな高校生活を送りたいか、今不安に感じていることなどを家族で共有することが大切です。
なお、保護者の希望とお子さんの希望が異なる場合もあります。その違いを認めたうえで、お子さんが自分らしい高校生活を送れる方法を考えましょう。
また、通信制高校を選ぶ理由や学びたいことを言語化しておくと、進路選びの軸が明確になり、入試の面接でも役立ちます。
まとめ
通信制高校は柔軟な学び方で高卒資格を取得できます。一方で、自己管理力が求められる弱点を補い、学習やメンタル、進路面を支えるのがサポート校です
ただし、サポート校は学校教育法では「高等学校」と認可されていません。そのため、単独では卒業資格は得られず、提携する通信制高校への入学は必須です。学費も別途発生します。
通信制高校、サポート校の制度や費用、支援内容を正しく理解し、お子さんの性格や目標、家庭の価値観に合った選択をすることが、高校卒業を確実にする第一歩です。早めの情報収集と比較検討が、後悔のない進路選択につながります。