通信制高校・高等専修学校ニュース
働きながら学ぶのなら、通信制高校も忘れず選択肢に~定時制高校との違い【どちらがおススメ?】~
「働きながら高校に通うなら、定時制高校」でしょうか? たしかに、それは間違いではないのですが、大事な選択肢をもうひとつ、進学先の候補に加えてください。それは「通信制高校」です。いま通信制高校で学ぶ人のうち、正社員や派遣社員の割合は小さくなっていますが、アルバイトをしながらという人はかなり多くいます。定時制高校と同様、働く人が学びやすいようにつくられたのが通信制高校です。
通信制・定時制は、学び方のスタイルで選ぶ
定時制高校で学ぶ場合、たいていの人は朝から夕方にかけて働いて、その後に学校へ通って夜間の授業を受けます。定時制高校のなかには日中に授業する学校もありますが、まだ数は多くありません。また学校数も全日制高校にくらべてずっと少ないので、多くの人にとっては遠くの定時制高校に毎日通うことになるケースがほとんどのはずです。これが定時制高校の大きなデメリットでしょう。
通信制高校では、同じように夕方まで働いても、自宅に帰ってレポート作成などの課題に自分で取り組むことになります。レポート作成と言っても、自学自習しやすいように研究された教材を使うので、あまり心配はいらないでしょう。自宅や移動中の勉強を助けるタブレットやスマホで視聴可能な動画などの教材も豊富に用意している通信制高校も増えています。
学校へ行けば先生が授業をしてくれる定時制に対して、自分から勉強に取り組む姿勢がより強く求められるのが通信制課程です。とはいえ、多くの通信制高校では、メールや電話などを使って先生に質問したり、スクーリング時に仲間に相談することもできます。さまざまな手段で学習の進め方についてアドバイスを求めたりもできますから、けっしてひとり放っておかれるわけではありません。そうしたサポートを上手に利用すれば、かえって自分のペースでじっくりと学べるのではないでしょうか。
自分のスケジュールに応じて勉強時間を自由に設定できる点では、定時制高校よりも通信制高校の方にメリットが大きいと言えます。そのうえ、自宅学習だけでなく、学校へ通学し単位を取得するスタイルの通信制高校も多くなっています。
フルタイムではなくパートやアルバイトとして働く人もいるでしょう。勤務時間が夕方から夜にかけてだったり、日中の勤務でもたとえば週3日くらいで出勤の曜日が決まっていたりするのなら、通信制高校の通学型を選択することもできます。これなら全日制高校のように日中の授業を受けられます。週1日~5日まで通学日数を選べる学校が多いようですから、興味のある通信制高校があったら『資料請求』をして、チェックしてみてください。
定時制の生徒は4年をかけて卒業するケースが多いようです。3年での卒業も可能ですが、その分、1日あたりの授業時間数が多くなり、働きながら学ぶ生徒にとっては負担となりそうです。通信制では3年での卒業を基本に、学習面で不安のある生徒へのサポートを手厚くする学校が多く見られます。また学校によっては、大学進学をめざす生徒が親身な受験指導を受けられるところもあります。
具体的に学校を選んで学費の比較を
通信制高校と定時制高校、学費の違いが気になりますか?
どちらの学校にも、また公立私立ともに「高等学校等就学支援金制度」が適用されます。これは毎月一定額を支給して、授業料負担を軽くするものです。公立の場合、ほぼこれで授業料はカバーされますから、通信制と定時制で授業料の違いは問題にならないでしょう。
私立の場合はどうでしょうか。じつは定時制も通信制も学校によって、また同一の学校でもコースによって、学費(とくに入学金と諸経費)にずいぶんと違いがあるので、平均値を出して比較しても、あまり意味がないのです。したがって、どちらが高い、安いと一概に言えません。
そこでおすすめしたいのが、定時制と通信制、それぞれ興味のある学校や進学してみたい学校を見つけたら、ホームページで調べたり、学校案内の詳しい資料を請求したりして、具体的に比較してみることです。学費の面については、一般的に入学案内資料の方が詳しく、情報も充実しています。都道府県がそれぞれに独自に設けている学費支援制度や、その学校独自の学費減免制度(奨学金制度や特待生制度)も紹介されているはずですから、ぜひ取り寄せて、ていねいに読んでみましょう。
世帯収入の少ない家庭の生徒には就学支援金の加算(通常の1.5倍~2.5倍多く支給される)もあります。自分が進学する場合について、通信制と定時制、それぞれの学費のシミュレーションをしてみましょう。意外と差がなかったり、都道府県によっては私立通信制高校でもほぼ無償化されているところもあります。
こわいのは「うちはお金がないから、定時制」という思い込み。
調べることで進学先の選択肢は広がります。
ぜひ、自治体のホームページでチェックすること、また、パンフレットを請求して気になる学校に相談をしてみてください。