通信制高校・高等専修学校ニュース

芸術科目を学べるアートな通信制高校

北海道芸術高等学校

特色ある科目、ユニークな授業 通信制・高等専修学校の強み

アートで充実した高校生活を

野球、サッカー、バレー、バドミントンなど得意なスポーツを高校進学の中心に据える例をよく聞きます。別にトップクラスのスポーツ特待生ではなくても、その部活動ができるという理由で高校を選ぶ生徒も珍しくはありません。また、周囲もそうした選択を当然のように受け止めます。

それが、イラストや声優、ダンス、音楽などのクリエイティブ分野になると、まだスポーツと同じようには認められません。もちろん、以前から私立高校の美術科や音楽科、公立高校でもアート系学科が進学先としてありますが、数でくらべればスポーツほどには多くの生徒の進学動機になっていないのは確かでしょう。

「そんな状況は、変わってほしいですね。それが理由で高校生活がつまらないものになっては残念です」。そう話すのは、北海道芸術高校札幌サテライトキャンパスの高橋知宏キャンパス長。開校13年になる同校は、高校で学びながらも同時にイラスト、声優、美容、ダンス、音楽などを早く専門的に勉強したいという生徒のニーズに応えてきました。

「好きなことを学ばせたい」

「とくに保護者には『アートでは将来、食っていけない』という思いがあるのでしょう。でも本校の生徒たちを見ていると、クリエイティブ分野で学んで身につけたことは、思った以上に多くの職種で生かせるものです。絵画、演技、音楽、ダンス……表現するための訓練によって本来の自分に気づくことも、この年代の若者にはとても大切な経験になります」(高橋キャンパス長)

しかし、そんな保護者の意識も次第に変わってきました。いわゆる普通の全日制高校と同じ土俵で比較したうえで、同校を積極的に選ぶケースも少なくないようです。

「学力や学校ランクにこだわらず、『子どもには、好きなことを学んでほしい。気に入った環境で学校生活を送ってほしい』という思いをみなさん大事にしていますね」(同)

興味関心のあることを学ぶ充実感で、学校生活全般に張り合いが生まれそうです。好きなことに時間を注げるから、ストレスがない。それが生徒に落ち着きをもたらすのではないでしょうか。

そういえば、別件の取材で直前に話を聞いた同校の男子生徒は、しっかりとした口調で誠実に質問に答えてくれました。髪を黄色くしていたのが気にならなかったばかりか、ほとんどこちらの意識にものぼらないくらいに。「『個性と感性をもった礼儀正しい生徒』であってほしい。見た目だけで判断されないためには、ふるまいが大切だと、どの生徒にも話しています」(同)

自信がつく、社会性が育つ

学外のイベントに参加したり、外部の団体から作品制作や出演の依頼を受けたり、同校の生徒は高校生のうちに実社会と関わる機会が多いようです。たとえば、と印象に残る同校生徒を挙げる高橋さん。「大人でも緊張でガチガチになりそうな場で、大勢の人を前にMCを務めた声優コースの生徒がいました。聞きやすい、気持ちのよいアナウンスができていました」

お客さん的な見学になりがちな職場体験とは違って、こうした社会参加は、本番本物の仕事と関わる、真剣で濃い体験となります。「協同作業を通じて生徒同士がつながる。外部の大人と関わって社会とつながる。そんな機会がふんだんにあるのは、公立高校には望めない本校の強みです。進学や就職で新しい環境に飛び込む時に、ここで体験したことが生徒にとって自信となり、指針となれば、うれしいです」(同)

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